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♪11月 なんとなく流れているだけで心地よい

夏の終わりから冬の入り口って、なんてこんなに早いのだろうかと毎年思う。しかも、毎年毎年加速度的に早くなってるんじゃないか、って。夏への上り坂を登りきったらもうあとはごろんごろんと下るだけ、みたいな感じがする。
せめてその速度をゆっくり感じたい、というわけでもないけれど、穏やかで、派手さも華麗さもないけれどしっかりとした演奏の音楽を、ただ流れるがままに身を任せるのが心地よい季節だ。
そんなわけで、とりあえず今ウォークマンに入っているのはこんな音たち。
仕事場へ行けば戦場のようにピリッとあらゆる出来事に神経を張らなきゃいけない毎日、その反動のようになんとなく流れているだけで心地よい音楽に身を委ねて心を真っ白にする、そんな時間が今は必要なのです。



ドゥ・ユー・ゲット・ザ・ブルーズ?    Hot House    ザ・ニュー・スタンダード

Through the Fire    Tigerlily


Do You Get the Blues?/Jimmie Vaughan
ジミー兄貴曰く「ロマンティック・ブルース・アルバムを作りたかったんだ。」
その言葉通りの大人の色気のある音楽。声も渋いしギターも渋いし、オルガンやフルートがまた意外にもよくマッチする。どう、この余裕綽々っぷりは!

Hot House/Bruce Hornsby
チック・コリアやキース・ジャレットばりの華麗なピアノを弾きこなすブルース・ホーンズビーの2ndソロ。
ジャケットのイラストそのままに、カントリーとジャズをごちゃまぜにしてソウル/ブルースのフィーリングをぶっかけたみたいな華麗で流れるような演奏。ちょっと食い足りないくらいの軽さがいい。

The New Standard/Herbie Hancock
モダンジャズってそもそもは「楽曲」を演奏するのではなく、その楽曲を元ネタにどれだけ想像力の幅を広げ丁々発止のエキサイティングな瞬間瞬間のアドリブをつなげるかが勝負のお遊びだった。そういう意味で、これは決してロック/ソウルのカバー集なんかではなく、ロックやソウルを元ネタにたくさん遊びました、という音楽。四の五の言わず、ハンコック、ジャック・デジョネット、デイヴ・ホランド、パット・メセニー、マイケル・ブレッカー、ドン・アライアスといったつわもの達の優雅なお遊びにおつきあいするのが楽しい聴き方。

Through the Fire/Peabo Bryson
まったり系ソウルならピーボ・ブライソン。
ジェントル&マイルド&スゥイート&ウォーム&テンダー、大人の懐の深さをじっくり堪能できる。
“アラジンのテーマ(Whole New world)”や“美女と野獣”、チャカ・カーンの“Through the Fire”、ボズ・スキャッグスの“トワイライト・ハイウェイ(You can have me anytime)”のカバーも入ってるお得盤。
くさいくらいのチープな80’sアレンジもけっこうツボです。

Tigerlily/Natalie Merchant
どこにでもいるような、なんでもない女の人の、なんでもない歌。なのにどこかとても懐かしいような温かい気持ちになって引き込まれてしまう。晴れた秋の日の空気のように、ただそこにある歌。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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