Dave Brubeck/Park Avenue South 御年88歳になるデイヴ・ブルーベック師の2003年のライヴ。カフェのような小さなハコならではのアットホームな空気感がほっこりする小春日和の一日のような音楽、しかし爺さんのひなたぼっこなんかではない。生涯をかけてきた音楽に、80超えてもちゃんと向き合えるだけの情熱。半端じゃない。
4, 5 and 6/Jackie McLean のっけから“センチメンタル・ジャーニー”、艶のあるフレーズでぐっと心をつかまれてしまう。 なんていうんだろう、ジャッキー・マクリーンのちょっと不器用で馬鹿正直な音色が好き。その馬鹿正直さに振り回されて時々うんざりすることもあるけどやっぱりほっとけない愛すべき男、みたいな色気があるのだ。
Beyond the Missouri Sky (Short Stories)/Charlie Haden & Pat Metheny 秋の夕暮れはつるべ落とし。子供の頃、家の前の広場で兄貴と兄貴の友人達といっしょに、日が暮れるまでさんざん遊んで母親に「晩ご飯よ!」って呼ばれて泥んこになって家に帰ったらおいしいにおいが漂っていた、お風呂に入ったらいつついたのかわからないようなかすり傷がひりひりした…そんな情景をふと思い出すような、懐かしくも温かい世界。 チャーリー・ヘイデンのベースはどんな演奏でも文学的というか、物語がある音がする。
Gettin’ Around/Dexter Gordon “Everybody's Somebody's Fool”ていうバラードが大好きで。 デクスター・ゴードンの印象は、純でシャイで朴訥とした男。普段はとても無口だけれど、酔っ払ったらたまに、本気とも冗談ともつかないような壮大な夢をふっと呟いたりするような。 どこかのどかな感じのジャケットも素敵です。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
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