Sports / Huey Lewis & The News それにしても暑い日が続く。今週の天気予報を見ただけでもうなんだかげんなりしてしまった。去年の夏はこんなに蒸し暑かっただろうか?それとも歳をとるごとに抵抗力が弱まってきているのか?こんなクソ暑い日中に野球やってる高校球児たちは一体どんな体力をしているんだ??…そんなことをぼやきながら、暑さをぶっ飛ばすために、そしてブルーな気分をぶっ飛ばしてしまいたくて、暑苦しいアメリカン・ロックを聴いた。
ヒューイ・ルイス&ザ・ニューズの大ヒットアルバム『SPORTS』。
いかにも西海岸のアメリカ人らしい、陽気であっけらかんとした豪快なロックンロールとリズム&ブルース。かちっとジャストでタイトなリズムと、磨き抜かれたコーラスやバンドのアンサンブル。暑い日に激辛のカレー食って汗ダラダラかくような、そんな感じで。
ロックンロールやリズム&ブルースは、音楽の形式としてのブルースを下敷きにビートを補強してスピードを速めた音楽だけれど、【ROCK=岩のような塊が、ROLL=揺らぎ転がる】といったその名称自体に象徴されるように、相反するベクトルを向いた感情を抱えた音楽なのだと思う。
ブルースの名で呼ばれる気持ちの状態から抜け出すために「踊って」しまうこと。一方で、ブルースで表現された痛みや悲しみややるせなさこそが出発点であり拠所であることを受け止めること。そんな相反する気持ちを両方の幅に揺れ動きながら表現する音楽が、ロックンロールなのだ。
結果、ヒューイ・ルイスたちは、確かに暑さはぶっ飛ばしてくれた。けれど、ブルーな気分は吹き飛ばせなかった。むしろ、吹き飛ばそうとすればするほど、遠心分離機にかけたみたいにくっきりと残ったやるせなさの塊だけが残ってしまったような気がする。ヒューイ・ルイスの陽気な声やブルース・ハープの端々から、一見陽気に振舞っている姿の向こう側にある、深い悲しみやどうしようもなさを感じてしまったのだ。例えば、ぱっと聴いただけでは能天気なラブソングに聴こえるこの歌なんかから滲み出すなんともいえないブルース・フィーリング。どうしようもない気分で立ち止まってしまう僕。
(拙訳:If This Is It)
夜中にも明け方にも君に電話してみたけれど
「あたしはここにはいないわって彼に伝えてよ」って声が聞けただけ
君は今白状しているけれど
僕はまだ考え込んでいる
君にずっとずっと長い間夢中だった
嘘をつかないで
君はいつも僕を救ってくれた
泣かないで
何も間違ってはいない
電話を取って訳を聞かせて
信じられなくなるくらいなら立ち去った方がいい
もしそうならば教えてほしい
もう愛していないっていうのならそう言ってほしい
もしそうならば知りたいんだ
もし愛じゃないなんていうのなら
いや、違うって言ってくれ
君はずっと考えていた
僕はずっと酔っぱらっていた
それが正しくなかったのかどうかを知りたがっている僕ら
君はまだ終わりじゃないふりをしている
戦いを避けるためならどんなことだって言うのかもね
嘘をつかないで
僕が必要だって言ってくれ
泣かないで
何も間違ってはいない
どうにだってするさ
あっちでもこっちでも
僕を行かせてくれ
いや、やっぱり一緒にいてほしい
もしそうならば教えてほしい
もう愛していないっていうのならそう言ってほしい
もしそうならば知りたいんだ
もし愛じゃないなんていうのなら
いや、違うって言ってくれ
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