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♪God Only Knows / The Beach Boys

Pet Sounds
Pet Sounds / The Beach Boys


とっても幸せな夢を見た後、目覚めたら暗い部屋に一人でぽつんといたときの淋しさのような、宝石のような輝きとガラス玉のような痛みを湛えた名盤、ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』。
サーフィンやホット・ロッドのきらめく青春を輝かしく歌ってアメリカン・ドリームを手に入れたビーチ・ボーイズ。ブライアン・ウィルソンはふと夢から現実に戻されたように自意識の中へ深く沈みこんでいった果てに、永遠の輝きを持つこのレコードを生み出したのだ。
「より深く夢見たものは、より深く罰せられる」というのは誰の言葉だっただろうか?
人間以外の生き物が夢を見るのかどうかは知らないけれど、本当は人は素敵な夢など見てはいけない生き物なのかもしれない、と思う。その夢が見せる心地よさに蝕まれた時、現実の世界を生きることができなくなってしまうから。
それでも人は夢を見る。
ならば、どんなに深く罰せられようとそれを乗り越えることができるくらい素敵で幸せな夢を見たい。
あの幸せな気持ちと引き換えならばこの程度の痛みは大したことではない…と思えるくらいの素敵な夢を見ることができるのならば、それはそれで、全く夢を見なかった生き方よりもきっと素敵なのだと思う。


(拙訳:God only knows)

いつもあなたを愛していたのではなかったのかもしれない
けど、あなたの頭上に必ず星があるように
あなたがそれを疑うことなど決してないように
僕はあなたの存在を確かに受け止める人でありたいと願っている

あなたなしの僕がどうなってしまうのかは
神様のみが知り給う

もしあなたが僕から永遠に去ってしまったとしても
人生は続いてゆくけれど
あなたのいない世界は僕には何一つもたらさない
どんな善いことがあるっていうのだろう?

あなたなしの僕がどうなってしまうのかは
神様のみが知り給う


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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