Black Market / Weather Report 明日から夏休みだ。一週間、仕事を離れる。日々の仕事はある種戦いみたいなもので、体質をある程度酸性にしておかないといけないので、自らを鼓舞するような激しい音が聴きたくなる。或いはその反動でリラックスできる音楽がほしくなる。けど、少し長い休みとなると、呆けたくらいの空気感の音が良い。
そういう意味でも70年代後半のフュージョンは悪くない。
クルセイダーズ、スタッフ、リターン・トゥ・フォレバー、ナベサダ、高中。音楽に興味を持った頃、巷で一番流行っていたのはフュージョンだったからロックだ、ブルースだ、なんて言いながら実はこの手の音楽に抵抗がない。この頃のジェフ・ベックも僕にとってはフュージョン。
文化にはその時代時代の流行り廃りが必ずある。今、優秀なアスリートが野球ではなくサッカーを目指すように、女にモテたい目立ちたがり屋が映画や音楽ではなくお笑いを目指すように、その時代の優れた才能が集まる場所がいつの時代にもあって、例えばこの頃のジャズ/フュージョンもそうだったのではないかと思う。伝統芸能に堕ちてしまったジャズを嫌いそれに反旗を翻した天才マイルス・デイヴィスを慕って集まった、知性と野生を兼ね備えた才能たちは、ジャズの即興性とロックの衝動とクラシックの物語性とファンクのリズムとブルースの魂をごっちゃまぜにして一見煌びやかでその実毒の盛り込まれた音楽を構築した。
ウェザー・リポートもまさに異能の集まりで、ジョー・ザヴィヌルもウェイン・ショーターもジャコ・パストリアスも、とにかくなんだかわけがわからないくらいすごい。それぞれが妥協することなく好き勝手にやっているようで、お互いがお互いをレスペクトしながら火花を散らしあう。その時、個々のエネルギーは増幅しあって、それがまたそれぞれの成長を促す、そんな輝かしい瞬間。
人と人との組合せはなかなか難しい。個々は悪くないのにコンビネーションがお互いを殺すこともあれば、お互いをがお互い刺激しあって、ともに成長しあうこともある。チーム全体がそうなったときはまさに無敵で最強の集団が出来上がる。うちのセンターもあと一歩なのに何かが欠けていて最強の集団になりきれない。個々は悪くないのに、何かが足りないのだ。グルーヴのようなものが。そのマジックは一体何なんだろう…などと休みなのにやっぱり仕事のことを考えてしまった。
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