Down by the Jetty / Dr.Feelgood パンク前夜のシンプルでランブルな最高にかっこいいロックンロールバンドといえば、忘れちゃいけないDr.フィールグッド。
ツェッペリンやディープ・パープルといったハードロックや、クイーンや数多のプログレバンドみたいに、或いはクイーンにしろデヴィッド・ボウイにしろ、ロックが派手に、大げさに、複雑に、難解に進化していった行った時代に、まるで60年代初期のストーンズみたいなブルースをベースにしたシンプルである意味地味なロックンロールをプレイしていたバンド。時代の流れとはまるで無関係に、地下室でナイフを研ぎ澄ますように、シャープでギラリと輝くロックンロールを。
ギタリストのウィルコ・ジョンソンは、ガチャガチャとギターをピックなしでかき鳴らす。歯切れの良い切れ味の無骨で泥臭いカッティング主体で、華麗なフレーズなんてまるでない。ハードロック全盛の時代にそんなウィルコのギターは、おそらく嘲笑の対象でしかなかったのではないかと思う。けれど、そのある種原始的ですらある弾き方から繰り出されるリフは、病み付きになるような独特の味わいがある。例えて言えば、決してコンピューターや機械では肩代わりできない中小企業の工場の職人が作り出す緻密な製品みたいな、泥臭さとうか、人間臭さというか、体温というか。
1975年に嘲笑された音楽が30年後にもまだ呼吸をしている一方で、その当時もてはやされた音楽は今やかび臭くなってしまった。そんな風に、評価なんてものは時代によって変わっていくものだ。
だからこそ、時代に惑わされず、自分のやり方、自分の信念を貫いて、他の誰にもできない色と味を作り出す、そんな職人みたいな仕事師に憧れてしまうのだ。
(拙訳:All Through The City )
夜明けに突っ立って
塔が燃え上がるのを見ていたんだ
着実に、ゆっくりとだが、昨日よりも一歩先へ来た
人として知るべきことを知ろうと
トライしてきたし、金も稼いだ
そしてたどり着くべき場所を探してる
探し続ける 街の中うろついてた朝に
突堤の下でおまえに出会ったんだ
街路は看板で溢れてる
どれもこれもが「ここだ」って指差してる
公園は、深呼吸する人々で大混雑
天気予報士の雨乞いの祈りを聞いてみな
空を見上げりゃ飛行機が大渋滞
探し続ける 街の中うろついてた朝に
突堤の下でおまえに出会ったんだ
薬を抜くために散歩してた午後
日が沈んでも街路はまるで日中のように明るく
ごらん、パトカーが行くよ
サイレンを鳴らして
ポリ公のお遊びの時間が始まった
探し続ける 街の中うろついてた朝に
突堤の下でおまえに出会ったんだ
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