The Best Of Faces: Good Boys When They're Asleep / Faces 若い頃、音楽を聴くことは「クスリ」みたいなものだった。
どうしようもなく破裂しそうな不満が蓄積したときにはセックスピストルズ、気合入れたいときはジョニー・サンダーズ&ザ・ハートブレイカーズ、向こう側へいってしまいたいときのヴェルヴェット・アンダーグラウンド。ハスに構えてワイルドでしたたかな気分になりたいときはストーンズ、とことん沈みたい時のニール・ヤング。渋く粋な気分になりたい時はトム・ウェイツ、癒されたい時のリッキー・リー・ジョーンズ。
そして元気になりたいときはきまってこのフェイセズだった。
フェイセズがよく効くのは「元気なとき」じゃなくて「元気になりたいとき」。へこんで沈んでとことんまでダウンした後に気分を変えて元気を出したいときに限る。
なぜなんだろう?フェイセズのなんともいえない清々しさ、アメリカ人の持つ苦悩のない能天気な陽気さとはまた違う、透明な感じの明るさ。無邪気さとでもいうのかな。ストーンズみたくハスに構えた「人生どうせ全部冗談さ」って感じのではなく「なんだかんだいってもどーせぜーんぶ冗談なんだから!」みたいなニュアンスの突き抜けた明るさ。いつの間にか、へこんで落ち込んでいるのが馬鹿馬鹿しくなってきて「ま、いいかっ!」って気分になってくる。
どこまで本当なんだかどこまでウソなんだかわからないようなラブ・ソングを歌う、まるでいたずらっ子のようなロッド・スチュワート。
その根拠のないポジティヴさに、今日も元気を分けてもらう。
こんなことろでくたびれてたまるかよ。
“もはやトライし続けずにはいられないってくらい、あきらめるのは俺のプライドにかけて許さない、ってとこまできてしまってたってわけなんだから”ってフレーズが今ならよくわかる。
もう起こってしまったことは、もはやなんであれ進んでいくしかないんだよ。
(拙訳:You Can Make Me Dance, Sing, Or Anything)
聞いてよ きみに言っとかなくっちゃいけないことがある
時々自分でもわけがわからなくなって
ひどいことを言ってしまうことがある
それから夜遅くまで遊び歩いて
帰ってから大喧嘩とかね
なぜだか俺のプランはいつも
もうちょっとのところでうまくいかないんだけど
いつもドキドキさせてくれるきみさえいてくれたら
億万長者にだってなれる気がするんだ
きみがいてくれるおかげで
ダンスしたり歌ったりできるから
いつものなじみのことをしようよ
時々朝早くにたったひとりで
ここから出て行こうかと思うこともある
夏は過ぎて、もうすぐ北風が雪を連れて来る季節
暖めてあげるよ
俺のもくろみは夢みたいなもので
朝が来るたびにかすんでしまう
けど、この意固地な俺ときたら
もはやトライし続けずにはいられないってくらい
あきらめるのは俺のプライドにかけて許さない
ってとこまできてしまってたってわけ
きみがいてくれるおかげで
ダンスしたり歌ったりできるから
いつものなじみのことをしようよ
だから飛んで行かないで 可愛い小鳥よ
どこへも去らないで 毎日ここにいてほしい
きみの笑顔が見れなくなるくらいなら
両目を失ってしまったほうがいい
きみがいてくれるおかげで
ダンスしたり歌ったりできるから
いつものなじみのことをしようよ
そう、俺だけを愛して
ずっとずっと
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