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♪十三夜の月に

今日は近所の神社の秋祭りの日。
昼間から神輿や花笠の行列が練り歩き、参道に露天がにぎやかに並び、夜には大きな火のともった松明が奉られる。
天にも届くような炎、その向こうのキーンと澄んだ夜空には、煌々と輝くお月様。
明日あたりが満月だろうか、ほんの少し欠けている。
月見といえば九月だが、平安の昔から、中秋の名月の翌月の満月の前の月を「十三夜」と呼び愛でる風習があるのだそうだ。完璧にまん丸な十五夜の月よりも、ほんの少し欠けているからこそ風情がある、そんな古人の風流さを思いつつ、ビールではなく日本酒をいただくことにする。
二十四節気ではもう「寒露」、空気は一気に冷え込み始める。

澄んだ夜空とほろ酔い気分に似合う5枚。
秋の夜は長い。


クロージング・タイム(紙ジャケット仕様)    アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ <SHM-CD>   ムーンドッグ・マチネー

WATARASE    Unplugged...and Seated    

Closing Time/Tom Waits
酔いどれ詩人の奏でる、心のすき間からこぼれ落ちてくるようなピアノの音色。
しゃがれて震える声にしみこんだ悲しみと慈しみ。酔っ払わずにはいられない名盤。

After the Gold Rush/Neil Young
初めて聴いた時、ものすごく孤独で絶望的で痛々しい音楽だと思った。しばらくして改めて聴いて、とてもロマンチックな音楽だと思うようになった。そして今。このアルバムで奏でられる音楽は、心の奥深い場所まで届いてきて密やかに鳴り響いては、その場所に積もった埃を丹念に払い落としてピカピカにしてしまうから、しばらくはその場所がひりひりと痛んだりしてしまうのだ。

Moondog Matinee/The Band
月夜と酒といえば、“ムーンドッグ・マチネー”!愛すべき酔っぱらい達が奏でる、愛とロマンと人情に満ち溢れた音楽の宝物。ロッキン&ファンキーなグルーヴに酔いしれ、ブルージィなバラッドに涙する。

渡良瀬/板橋文夫
ピアノという楽器は一番人間の肉声に近いのかもしれない。ピアノひとつで音楽を奏でることは、まるで素っ裸の自分をまじまじと見つめられるようにごまかしの効かない行為に僕には思える。
板橋さんのピアノからは、孤独や悲しみ、怒りのほとばしりのすき間から、そんな感情を乗り越えた果ての叙情のような穏やかさを垣間見ることができるからついつい引き込まれてしまう。

Unplugged...and Seated/Rod Stewart
Unplugged and Seated、なんて言いながら最後はやっぱり立ち上がらせちゃう、ロッドはやっぱり最高のエンターテイナーだ。旧友ロン・ウッドやソロ時代の盟友ジム・クリーガンを迎えたホットでリラックスした演奏は、秋の夜の酒宴の如く果てしなく続くのだ。





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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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