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♪Baby,何もかも / 忌野清志郎

KING
KING / 忌野清志郎


雨の日のためのラブソングを一曲。


Baby何もかも
暗い暗いこんな夜更けは あのぬくもりがほしくなる
ハイウェイは雨の中 おまえから遠くはなれて
長い長いたびのまにまに 濡らしてはまた消える
フロントガラスに打ちつける 雨の音を抱いている

見知らぬ夜に泣いているのか 眠っているのか
離れていても おまえのことは 全部知っておきたいのさ
何もかも Baby

何もかも Baby
どんなことでも知りたい 知っておきたい
泣いたこと 笑ったこと 辛かったこと 楽しかったこと
gatta gatta gattagattagattagatta
Baby 何もかも Baby


忌野清志郎、2003年の作品「KING」。このとき清志郎52歳。
静かなソウルバラード風に始まってひとしきりウルウルさせたあと、ホーンも入ってリズムが立って、そして清志郎のシャウト。どうよ、このたたみかけていくような盛り上がり方は!決して老け込まない、渋くすらならない、いつもどおりそのまんまの清志郎節炸裂!
昔っから永遠の少年のようなところはあったけれど、年を食うにつれてますます少年のようになっていく清志郎なのだ。

まだ若い頃、50代や60代の老けていく様はとても醜いように見えた。自分の世界に頑固に凝り固まったまま、新しいものを受け入れず過去のものさしだけで物事を判断し、それがずれていることにもそのかっこ悪さにも全然気付かないような人たち。柔らかな紙粘土で作った工作がいつのまにか固まりひび割れていくような醜さ。自分もそんな風になっていくのだろうと思っていた。
けれど、いつの頃からか、そんな老け方ばかりでもないことに気がついてきた。むしろ、年をとればとるほど、心のある部分はどんどん少年少女のように純粋な気持ちに戻っていくものなのかな、と。50になっても60になっても、いつまでも素敵なことにときめいていられる、今よりもいろんなしがらみがなくなってもっと自由奔放にいろんなことを楽しめるのなら、それは決して悪くない。

晴れた日ばかりがいい天気じゃない。雨の日には雨の日の、夜には夜の良さがある。

このアルバムから、雨の日のためのラブソングをもう一曲。

雑踏
雨の音で歌が作れたなら
かわかないうちに君に贈らなくちゃ
雲に乗せて 君の傘の上に

夜の黒で絵が描けたなら
朝が来る前に君に見せなくちゃ
夜霧に包んで君の部屋の窓に

Hey,会いたい人がいるんだ
どうしようもなく どうしようもなく
Hey,会いたい人がいるんだ



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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