先日の藤原紀香・陣内智則の結婚式で「She」っていうバラードが入場テーマとして使われたとかで、エルヴィス・コステロが世間で話題になっているようです。クラプトン同様、いつの間にかダンディなおじさま的に世間に受け入れられているコステロさんですが、僕の彼へのイメージは『スーツ姿でロックするインテリ・ドクター』『見た目美しくその実毒の盛り込まれたポップスを量産する稀代のひねくれ芸術家』って感じ。デビューは1977年、パンクの嵐の吹き荒れる中、バディ・ホリーみたいな黒縁メガネでシャープにロックし、世の中への違和感や社会への異議申し立てのメッセージが詰まったアルバム[My Aim Is True]。その後カントリーやらR&Bやらアイリッシュやらとそのときそのときの興味の赴くままにコロコロとスタイルを変えながら、独特のポップセンスで作品を作り続けている。 この曲は1983年、ホーンセクションを大胆に導入してモータウンやソウルに大接近したアルバム[Punch The Clock]からのシングル。愛する人の一挙一動に右往左往する健気な男の様子をコミカルに描いている。ありきたりな「She」なんかよりよっぽど真に迫ったラブ・ソングだと思うけれど。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
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