There Goes Rhymin' Simon / Paul Simon スコールのような雨が30分ほどでやんだ後、川辺りを散歩した。
雨のしずくを浴びて光る草の緑。足元の草をよく見ると、小さな花をたくさん咲かせている。薄いブルーや紫、白。全然名前は知らないけれど。
そんな緑や白や紫、微妙な透明感のある空、やや低いところにあるずんぐりしたややグレーがかった雲、その向こうの高い空にあるちぎれた雲、雲の切れ目からカーテンのように揺れる光の筋。
どこにでもある風景、どこにでもある情景、だからこそかけがえなく愛おしく思えることがある。
カメラの心得があればよかったのになぁ、なんてふと思ったけれど、やっぱり写真じゃ肝心なものが伝わらない。そもそも見たもの感動したもの何もかも残したところでどうなるもんでもない、と思い直したところでまた雲行きが怪しくなってきたので、そそくさと家へ引き上げたのだった。
(拙訳:Kodachrome)
高校生の頃、学校で何を学んだのか思い出していたんだ
不思議なことに何にも覚えていないんだ
けど何にも困らない
壁の落書きが読めるからね
コダクローム
あの鮮やかで素敵な色合い
夏の緑をそのまんま僕らに伝えてくれる
まるで世界中がよく晴れた日だったみたいにね
僕はニコンのカメラを持ってて
写真を撮るのが大好き
だからママ、僕のコダクロームを取り上げないで
もし君がひとりぼっちだった頃の
知り合いの女の子の写真を全部集めてみたとしても
やっぱりピンと来ないね
僕のイマジネーションには敵わない
白黒だと何もかもボケてしまうんだ
コダクローム
あの鮮やかで素敵な色合い
夏の緑をそのまんま僕らに伝えてくれる
まるで世界中がよく晴れた日だったみたいにね
僕はニコンのカメラを持ってて
写真を撮るのが大好き
だからママ、僕のコダクロームを取り上げないで
ポール・サイモン1973年発表のセカンド・ソロアルバム「ひとりごと」。原題は“There goes rhymin' Simon”。…「つぶやきサイモンがゆく」みたいなニュアンスですか?S&G時代からフォルクローレやラテンのリズムを旺盛に取り入れていたサイモンだが、このセカンドでも一流のミュージシャンたちと共にカラフルな世界を作り出している。
サイモンの歌うとおり、高校生の頃学校で教わったことなんて、ほんとに何にも思い出せない。大事なことは全部学校の教科書以外から学んだような気がする。例えば空の見方や草花の見方なんかにしてもね。
コダクロームとは、コダック社が世界で初めて発売したカラー・フィルム。これが開発されるまで、写真といえばモノクロームしかなかったのだ。今年になって製造中止が発表され、日本でも在庫限りの販売となっているらしい。
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