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♪LUCKY MAN / ザ・プライベーツ

MONKEY PATROL
MONKEY PATROL / THE PRIVATES


1980年代の後半には、日本でもたくさんのかっこいいロックバンドが出てきた。僕はその頃、レンタル・レコード店(レンタルCDではなく、レコード!)でアルバイトしており、聴きたい新譜は聴きたい放題だったのだ。そんなわけでずいぶんたくさんのレコードをこの頃に聴いたので今もこの頃の音楽には思い入れが多いようだ。
大好きだったのは、例えばブルーハーツ、ラフィンノーズ、ストリートスライダーズ。シェイディ・ドールズ、レッド・ウォーリアーズ、モジョ・クラブ。ヒートウェイヴ、ボ・ガンボス、ニューエストモデル、ザ・グルーヴァーズ、ザ・ブーム、エコーズ、アンジー、エレファントカシマシ…そしてこのザ・プライベーツ。
彼らについて感じることは一様に「肩肘張らずナチュラルにロックしている」ということ。一昔前は少し無理した「俺たちロックだぜ」的な背伸びしてるような感じが日本のロックバンドにはつきまとっていたけれど、これ以降の世代はごく自然にロックしている。生まれた頃からロックがもう身近にあって、ロックを聴きながら育ってきた、そんな自然さ。チャック・ベリーもマディ・ウォーターズもビートルズもストーンズも、エアロスミスもピストルズも全部対等な距離で「ただのロックンロール」として吸収してきたようなしたたかさと、それらの音楽への素直なレスペクト。それから、借り物や直訳じゃない自分の言葉で自分の視点で世界を切り取ってきた歌。
中でも大好きなのがこの曲、「LUCKY MAN」!


変わり映えのしない毎日 
キッチンの椅子に腰掛けて 考え続けていたものさ
何とかこの想い 伝えられないものかと
君が眠ってしまわないうちに

時間を費やすことも まんざら無駄じゃないとその場しのぎの言い訳で
また何とか一日乗り越えた
I'm a Lucky Man
I'm a Lucky Man

退屈とか絶望とか 感じてるうちはまだ良いけど
何も考えなくなったらどうしよう

誰からも相手にされず 誰からも愛されない
そんなふうになったらやりきれない
I'm a Lucky Man
I'm a Lucky Man

砂糖と塩を間違えて君が料理を作ったなら
悪いけど美味いなんて俺は言わないぜ

わかっておくれよ 好きでもない物を身にまとうなんて俺には無理だぜ
わかっておくれよ 好きでもない人を 愛してやることなんてできない
I'm a Lucky Man
I'm a Lucky Man


なんていうんだろう、このワガママさ加減。
これこそがロックンロールだ、と当時勘違いしたことは、後の自分に大きな悪影響を及ぼしたかもしれない。
けれど、何の根拠もなく、しかし、「俺は俺だ」と言い切るスタンスを手にしたことで、いつのまにか僕の中の凶暴な獣は消えていたのだ。
今では逆に、社会人としてどうワガママを抑えるのかに悪戦苦闘中なのではあるが。
まぁ、いいや。
もう一曲、そんなワガママなナンバー、行ってみよう!
翌年出た次のアルバムからのシングルだった曲です。
「気まぐれロメオ」!


困らせるつもりはないけど
またワガママな人ねといわれた
上手くやろうとする気もないけど
ぶち壊しにしようとは思わない
君の前にいると あぁうまく話せない
約束事など交わせないさ
俺は気まぐれロメオと呼ばれてた

投げ出してしまうわけじゃないが
もう騙すようなまねはしたくない
誰も振り向いてくれないとしても
君にだけは伝えておきたい
手を伸ばせばそこに 美味い話は有るけれど
しらけた振りして見過ごすさ
俺は気まぐれロメオと呼ばれてた

確かなものなど もう何一つありゃしない
成り行き任せで楽しむさ
俺は気まぐれロメオと呼ばれてた
そう、俺は気まぐれロメオと呼ばれてた


ちょっと照れくさいくらいにかっこつけて、タフでクールを気取ってみる。ちょっとこぼれ落ちたシャイでセンチな素顔を取り繕って、この際開き直ってみる。
ワガママでいいじゃないか。


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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