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♪ソウル・サヴァイヴァー / ザ・ニューエスト・モデル

ソウル・サバイバー
ソウル・サバイバー / NEWEST MODEL


ニューエストモデルは1989年メジャーデビュー。メスカリン・ドライヴと発展的合併をして93年からはソウル・フラワー・ユニオンとして活動している。
バンドの中心人物・中川敬は、デビュー時からずっと少なからずシンパシィを感じる存在だ。
父は某市交通局で労働組合活動を長らくやっていた。家には赤旗新聞が当たり前のようにあった。母は創設期の頃から生協運動に携わり代議員のようなこともやっていた。裏の家に住んでいた親戚の大学生は僕が小さな頃、ギターでベトナム戦争反対を歌っていた。小中学時代で唯一尊敬できた先生は反体制派だった。そんな環境で育った僕にとって、思春期の頃のイギリスのパンクやニュー・ウェーヴのロッカーたちがこぞって権利や人道について歌っていたのは受け入れやすく、中川の吐き出すやや左翼的傾向のあるメッセージも、同じような影響を受けてきたことがよくわかったりしたのだった。
そうはいっても彼らの政治的なものも含めた主張を全部その通りと思うわけでもないし、彼らをずっと追いかけるように聴いてきたわけでもない。ただ、音楽雑誌や新聞記事で見かけるたびに「あぁやってるなぁ。」と、古くからの友人の活躍を見るような感じで目にしてきた。
政治的な部分でのみ語られることの多い中川だが、詩人として、音楽家として、僕らが暮らしているこの「日本」という国のことを意識した言葉や音の選び方は(やや理屈がかってはいるけれど)やはり当代随一だと思う。


無茶な話も耳をそばだてて
微笑んでくれるあの娘といたい
おくびにも出さない
静けさの不安を

知らず手掛けた奴隷は見てるよ
君の抱えた混乱と恐れを
おくびにも出さない
静けさの不安を

隠しきれずに満ちて溢れる涙
強気の君は一人耐えて尾根を歩く

もうすぐさ時間切れまで

みんな持ち歩く
あの娘の寝顔と温もりを
遠くなる程にあの娘が近く感じられる

寝床でさいなむ石くれの勇気は役立たず
明日にゃ何かが救いに来るような気がしてる

  (尾根行く旅)


この歌で歌われていると思しき「あの娘」、メスカリン・ドライヴの伊丹英子と中川は確か一緒に暮らしていたはずで、ジョンとヨーコみたいにお互いがお互いを支えあうカップルというイメージがあったのだけれど、今、伊丹さんはドーナル・ラニーというソウルフラワーとも共演したアイルランド人とアイルランドで暮らしている。それでも伊丹は今もソウルフラワーのメンバーに名を連ねている。そして中川も一児の父親になったという。
当人同士にしか分からない微妙なこともたくさんあるだろうけれど、男と女のしがらみを越えてそれでも尚且つ「同志」でいられる関係を素敵だと思う。素敵だと思う?難しい質問だね。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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