Bo Gumbosは、1987年に当時ニューウェイヴの先鋒だったローザ・ルクセンブルグのVo.どんととB.永井利充が、泥臭いピアノを弾くセッションプレイヤーDr.KyOn、関西ブルースの重鎮ブレイクダウンのドラマー岡地とのセッションを通じて、よりルーツっぽい音楽を演ろうと、ローザを解散して結成したバンド。 Bo GumbosのBoは、50年代ロックンロール黎明期に陽気なジャングル・ビートで一世風靡したボ・ディドリーのBo。Gumboは、ニュー・オリンズのごった煮スープ、転じてニュー・オリンズ産のR&Bやブルース、ジャズ、ファンクをごっちゃまぜにした音楽のこと。その名の通り、どろどろに煮込まれたコクのあるスープみたいに濃く味わい深く、お祭りみたいに人を興奮状態にさせる生命力の素みたいなものを持ち合わせたバンドだった。 民俗学で「ハレ」と「ケ」という概念がある。 「ハレ」とは儀礼や祭り、「ケ」は日常生活。「ケ」の中で蓄積する疲労やエネルギーの枯渇(「ケガレ」)を「ハレ」で回復するというようなこと。 ローザ時代からどんとの表現方法はどんどん変わっていったけど、日常生活からぶっとんだ、まるでお祭りのような“「ハレ」の機能としての音楽”はずっと変わらなかった。まるで何かが憑依したかのように、あっちの世界とこっちの世界をまたにかけて行き来するような表現。あらん限りのエネルギーをすべて今ここで吐き出し尽くすかのような音楽。 どんとはいつもそんなふうにエネルギーの塊になってステージのど真ん中で太陽のように熱を放っていた。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
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