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♪Sexual Healing / Marvin Gaye

Midnight Love
Midnight Love / Marvin Gaye


数多のソウル・シンガーの中でもマーヴィン・ゲイはひときわ別格の存在だ。
1939年生まれのマーヴィン・ゲイは、60年代よりモータウンレーベルにてキャリアを積み、タミー・テレルやキム・ウェストンとのデュエットも含み30曲以上のシングルをヒットチャートにのせている。1971年に従来のソウルミュージックの枠を超えたアルバム「What's going on」を発表。ダニー・ハサウェイ、カーティス・メイフィールド、スティーヴィー・ワンダーらとともに 黒人差別・ベトナム戦争・貧困などの苦悩を赤裸々に表現した「ニューソウル」というジャンルを確立した、云々・・・1984年に父親に射殺されるという非業の最期を遂げている。

マーヴィンの人生を要約するとそんな風に「What's going on」の存在がクローズアップされるけれども、マーヴィンの本質は、社会へメッセージ云々ではない。例えばカーティス・メイフィールドは民衆に強く団結を呼びかけ戦いを煽動するけれど、マーヴィンは戦わない。ただ弱いものや虐げられたものを見て涙を流し、自らの弱さを悲嘆し、愛してくれる女性に逃げ込む。
シルキーで滑らかなでやわらかな声とリズムに乗せて歌われる情けないほどの愛を乞う歌の数々。時には露骨過ぎるほどの性的表現。けれどそれは決して興味本位や女性蔑視のいやらしさではなく、愛情の表現手段の一つとしての性を見事に表現している。そこに描かれる男はやはり繊細で軟弱。そんなマーヴィンの弱さ、けれどその弱さこそがマーヴィンらしさだと肯定したい。

誰しも一人では弱い存在で、弱さをさらけだせる、補ってくれる相手が必要だ。(マーヴィンの表現を借りるならば)「波が高くて転覆してしまいそうな心の荒海」を、そんなことで乗り越えていけるのならば、それは決して罪を感じるべきことではないと思う。


(拙訳:Sexual Healing)
今夜
オーブンみたいに熱く燃えてるんだ
愛しあいたい
抑えきれないこの気持ち
どんどん強く強くなっていくんだ
セクシャル・ヒーリング
素敵な気持ちにさせてくれる
心の救済に手を貸してほしい
セクシャル・ヒーリング

憂鬱な涙が零れ落ちて
心の安定がどっかへいっちゃいそうだった
君を電話で呼び出したんだ
そして君が僕を救ってくれる
君の愛が僕を解放してくれる
それはいわゆる魂の取引なんだと思う
セクシャル・ヒーリング
さぁ、目を覚まして
やってみて

朝、目が覚めたら
僕の心の中の海は嵐のようだった
波が高く果てしなくて
転覆してしまいそうだった

セクシャル・ヒーリング
素敵な気持ちにさせてくれる
心の救済に手を貸してほしい
セクシャル・ヒーリング

コントロールして、しっかり握りしめて
一緒に、さぁ


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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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