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♪I Remember You / The Pretenders

Get Close
Get Close / Pretenders


1986年発表のプリテンダーズ4枚目。
シャープでワイルドなロックンロールだった3作目のあと、クリッシーは7歳年下のシンプルマインズのジム・カーと結婚し第二子を出産。
最近このアルバムの中の“Don't get me wrong”がCMで使われてたけど、前作とはうってかわって、女性的なふくよかさや優しさをイメージさせる柔らかいソウルマナーなサウンドに変化したのは、そんな充実した私生活の影響だろうか。こだわっていたバンドもメンバーを一新してしまいDsのブレア・カニンガム、B、T.M.スティーブンス、Key.バーニー・ウォーレルなど、スタジオミュージシャンではないけれど、名うての面子を揃えて、今までのロックバンド然とした姿は消えている。どちらかというとクリッシーのソロみたいな感じだけど、今出したい音を出すにはこのメンバーが必要だったのだろう。
もちろん「アンタの魂をいくらで売りさばいたの?」なんて迫る“How much did you get your soul”みたいな硬派なクリッシー節も健在だけど、泣く子も黙る姉御ロッカー・クリッシーのつっぱった側面は影を潜め、“When I Chenge My Life”や“My baby”みたいな、女性として、母親としての女っぽさが強く出た音作りになっている。

地味だけれどぐっとくるのは、別れたレイ・デイヴィスとのことを歌ったと思しき“I remember you”。
女っぽさなんて普段微塵も見せない女性のふとした仕草の中に、普段は見せない女の表情が垣間見えてドキッとしてしまうような。



(拙訳:I Remember You )

あなたのこと思い出してたの
あたしたちが初めて出会ったときのこと
ちょっと寂しかったのかもね
あなたとずっといっしょだと思ってた
けど忘れてしまうものなのね
あなたのこと思い出してたの

あなたと初めて言葉を交わしたとき
あなたの声はまるで恋人たちのささやきのように
あたしの耳にまとわりついてたの
春はまだ終わってなかったことに
あのとき気がついたのよ
あなたのこと思い出してたの

どうしてあんなに簡単に私たち変わってしまったのかしら
あなたはずっとあたしの一部分だから
あなたはどこへも去りはしないのよ
わかるでしょ

あなたと最初に眠ったときのこと
決してこんなふうになるなんて思いもしなかったあなたが
目覚めて隣にいた時のあの気持ち
夢が叶った気分だったわ
あなたのこと思い出してたの


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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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