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♪春が来て君は / 杉 真理

STARGAZER(紙ジャケット仕様)
STARGAZER / 杉真理


桜が舞い散る頃
毎日が君の 洗いたての髪の
香りの中にいた
髪を切りすぎて しょげる僕見て
なぐさめた後で吹き出した君

何度もさようならと言いかけたけれど
本当に離れるとは 思わなかったよ

また春が君を ほほえませたら
僕を思い出して 幸せな時に
  (杉 真理 「春が来て君は」)



桜が舞い散る頃になると思い出す歌がある。
杉真理の「春が来て君は」。ヒットした「バカンスはいつも雨」が入っていたアルバムに収録されていた曲だ。

あの頃、春になると桜がきれいな通りの一筋裏の小さなアパートに彼女は住んでいた。20歳すぎ~22歳、日々経験する何もかもが新しくて毎日がワクワクの連続だった年頃をその彼女と一緒に過ごした。
何で別れたのかは、実は今もよく解らない。この先歩もうとする人生の目指す方向が違うことを、僕は気付いていなかった。うすうす感じていたとしても何とかなるんだろうと思っていた。彼女は気付いていた。それがどうしようもなく違うということを。
多分、たったそれだけのことだと思う。

学校を卒業してから一年経って、彼女が新しい部屋へ引っ越すと同時に別れた。最後に引っ越しを手伝って空っぽの部屋で抱き合った。不思議と悲しくはなかった。ただ空っぽな風が何かを散らしていったような気持ちがした。
桜の舞う季節になるとなんとなく思い出す。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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