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♪Tell me Why / Neil Young

After the Gold Rush
After the Gold Rush

Neil Young

(拙訳:Tell me Why)

心の舟は うらぶれた港から
夜半 波に乗って出航する
未だ何かを捜し求める者は
荒馬に跨らなければならない
心のうちの怖れとたった一人で競り合いながら

僕に話して 

自分自身に折り合いをつけるのはかなりしんどいことじゃない?
やり直すにはもう齢をとりすぎたし
投げ出すにはまだまだ若すぎて

嘘をついて
僕に会いに来て
もうしばらくこの辺にいるから
僕はひとりぼっちだけれど
君は僕を解放してくれる
その微笑ってやり方で

僕に話して

自分自身に折り合いをつけるのはかなりしんどいことじゃない?
やり直すにはもう齢をとりすぎたし
投げ出すにはまだまだ若すぎて



大人になると、自分自身が思ったとおりに話してはいけない場面に時々出くわしてしまう。
僕はロックを聴いて大人になったから、何でも思ったとおりの言葉を口にし続けてきた。そのことで多くの人を知らずのうちに傷つけたかもしれないし、また自分自身も傷ついてきた。それでもやっぱり、自分の内側から出てきたものだけを頼りに、これからもそうしていきたいと願っている。

そんな僕でも、言葉を選んで話さないといけない場合が、ときたまある。
立場上やむをえないと、借り物の言葉を並べるのはまっぴらごめんだから、自分の本音とは違うその意見が何を目的にどんな背景から出てきた事柄なのかをとことん考える。そんな過程の中から、今まで「これが自分の意見だ」なんて主張してきたことの浅はかさを見せつけられてますます落ち込んだりもする。
今さらながら、大人になるとは、そんなことの繰り返しなんだな、と思う。

ニール・ヤングは、その頑固なルックスとは裏腹に、その表現のスタイルをころころと節操なく変え続けてきた人だ。轟音でバリバリギターをかき鳴らして叫びまくったかと思えば次のアルバムではアコギ抱えてひっそり歌う。残念ながら「名曲」は少ない。せいぜい佳作、ほとんどは駄作。主義主張を大声で宣言する歌があり、とてつもなく優しい歌もあり、非情なまでに残酷な歌があり、希望を湛えた歌もあれば、虚無一色の歌もある。とにかくとらえどころがない。彼の中では脈絡も辻褄もあるであろう彼の内面での変化についていくのは並大抵のことではない。
けれど、その振幅の幅にこそニール・ヤングの本当の姿があるのだと思う。そしてどんなに振幅の幅が広くても、どんな歌をどんなスタイルで歌っても、誰かの真似事ではなく、ニール・ヤングにしか出せない色や匂いや味わいがいつもそこにある。

自分自身に折り合いをつけることは実際しんどいことだけど、もはやここまで来たら中途半端な投げ出しは許されないし自分自身納得がいかないから、進んでいくしかないのです。
さしあたっては、自分自身から放たれた言葉が自分自身にしか出せない色と匂いと味わいを醸し出せればいい。願わくばニール・ヤングのように。






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コメント

[C2003]

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
ずいぶん以前に書いた、自分でも忘れてしまっていた文章でした。
共感していただけてうれしいです。
  • 2013-10-12 11:40
  • goldenblue
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  • 編集

[C2002]

GREAT。久しぶりにTell Me Why聴いたけど、まったくその通りだと思う
  • 2013-10-12 08:12
  • 通りすがり
  • URL
  • 編集

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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