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♪それだけでうれしい / THE BOOM & 矢野顕子

Singles+α
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THE BOOM

いつも思っていることなのに
君に会うと忘れてしまう
顔を見ているとうれしい
声をきいているとうれしい
それだけで それだけで うれしい



世の中には数多くの歌が流布していて、きっと今日も新しい歌が生まれているのだろうけれど、そのほとんどの歌のテーマは「恋愛もの」だ。
なぜなんだろう?確かに「音楽」と「恋」は相性が良いようだ。

音楽の一番素晴らしいところは、感情を感情のまま伝えることが出来ることだと思う。
映画や小説はいろんなシーン・いろんな感情を縦横に織り交ぜながら織るタペストリーのようなもの。文章は、まるで気体や液体のような感情を固形に固めるような作業で、どうしても微妙なニュアンスが削り取られてしまう。論を立てるには向いているけれど、形のハッキリしない気持ちをいちいち対象を相対化しながら言葉に置き換えなくてはならず、なんだかうまく伝わったのか伝わらなかったのか非常にまどろっこしい。
その点、上質な音楽は、そこにある微妙な感情をその感情の形のまま、気体を気体のままその匂いや質感まで伝えてくれる。
恋愛の、言葉にすると陳腐になってしまうような愛しい気持ちや、せつない気持ち、愛しさゆえのはがゆい気持ちや少し憎しみさえも入り混じった感情、或いは打算や駆け引き…そんな複雑で微妙な気持ちは、音楽のような容れ物でないとうまく盛ることが出来ないのかもしれない。

例えばこの歌。矢野顕子さんの、やわらかな木漏れ日のような声とピアノ。BOOMの宮沢くんの、そよぐ木の葉を揺らす風のような声とギター。そのふたつが合わさって届けられる、ふんわりとしたやわらかで暖かい雰囲気。音楽以外ではきっと表現しようがない空気感。
第一、この歌の歌詞のような言葉、照れくさくてなかなか面と向かっては言えません。







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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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