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♪The Greatest Love of All / George Benson

Greatest Hits of All
Greatest Hits of All

George Benson

(拙訳:The Greatest Love of All)
 
子供たちの未来を信じよう
彼等によりよいことを教え、彼等を導びこう
彼等の内にある美しいものをすべて見せてあげよう
プライドを与えよう
そして子供たちに笑顔を
私たちもそうであったことを思い出して

誰もが英雄を求めている
仰ぎ見る人を誰もが必要としている
けれど私の求めを満たす人はいなかった
そんな寂しい場所で
自分自身に依って立つことを学んだのです

もう誰の影も踏んで歩かないと
随分前に決心したのです
転落しようと成功しようと
自分の信じるように生きた結果でしかないのだから
誰かが私をどこかへ連れ去ったとしても
私の尊厳までは奪い去ることは出来はしない

偉大なる愛の奇跡が我が内に舞い降りたから
私の心の内に偉大なる愛を見つけたのだから
偉大なる愛を成すことはとても容易いこと
あなた自身を愛すること
それこそが偉大なる全能の愛

もしあなたがずっと夢に見ていた特別な場所へ行くチャンスを与えられたのなら
寂しい場所へあなたを導びこう
愛の中にあなたの力強さが見つかるのだから



ホイットニー・ヒューストンで80年代に大ヒットした曲ですが、元々はモハメド・アリの伝記映画のために書かれた曲。

モハメド・アリは1960年、ローマオリンピックで金メダルを獲得。その当時の名前はカシアス・クレイだったが、イスラム教に帰依しモハメド・アリに。華々しくプロ・デビューし連戦連勝を重ねるが、1967年、良心的兵役拒否のため世界ヘビー級タイトルとボクサーライセンスを剥奪され、3年間のブランクをつくる。再起し1974年、キンシャサの奇跡と呼ばれたフォアマンとの試合で再び世界チャンプになる。以後10度防衛、78年にタイトルを奪われるが奪回。1980年に引退するまでぼろぼろになって戦った。(猪木との異種格闘技戦をTVで見たのもよく覚えている。)
ベンソンは60年代既にジャズ・ギターの名手として売れっ子の地位を築きながら、70年代のフュージョン・ブームを牽引し、その後自らも歌うコンテンポラリーなサウンドへと常に今の成功に安住することなく新しいサウンドに挑戦し続けた人。その時その時に姿を変えてきただけに周囲から色んな批判もあっただろうけど、作品の素晴らしさで黙らせてきたのだ。
チャンピオンになっても黒人として差別を受け、アメリカ社会に批判的な言動を繰り返しつつ、実力で社会を見返したサクセス・ストーリーに、ジョージ・ベンソンは自分を重ね合わせていたのかもしれない。

“もう誰の影も踏んで歩かないと
随分前に決心したのです
転落しようと成功しようと
自分の信じるように生きた結果でしかないのだから”

アリもベンソンも、若い頃、頑張っても頑張っても認められず自分をねじまげて後悔し、このフレーズのような決意をしたのじゃないかと思う。だからこそ、世間での成功や評価に惑わされることなく、自分の信じる道をただ歩んでいくことが出来たのだと思う。







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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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