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♪Marie

Good Old Boys
Good Old Boys / Randy Newman



(拙訳:マリー)

僕らが出会ったあの夜
君はまるでお姫様のようで
髪を高く留めていた
忘れることはないだろう
今、とても酔っ払っちゃってるんだ
なんとかしなけりゃな
決して口にはしないだろうけど
わかってくれないか
愛してしまったんだ 初めて会ったときから
そしてこれからもいつも
ねぇ、マリー

君は風が木立を吹き抜けるときに歌う歌のよう
君は花
君は川
君は虹
時々俺は気が狂ってしまう
君も気付いてるだろうけど
俺は気弱で
しかも怠け者
君を傷つけてしまったし
君の言うことも全然聴いてない
君が困ってるときは
背を向けてしまう
けどね
愛してしまったんだ 初めて会ったときから
そしてこれからもいつも
ねぇ、マリー



ランディ・ニューマンは1943年LA生まれ。「慕情」などでアカデミー賞をとったアルフレッド・ニューマンという映画音楽作家の甥にあたるらしい。どうりで、というか彼の作品は映画的というか、映像描写に優れかつユーモアとウィットに富んで、美しいメロディとは裏腹の皮肉が効いているものが多い。
例えばこの“Marie”。
一見ごくありふれたスィートなラブ・ソングのようでなんだかちょっと奇妙。
「俺は気弱でしかも怠け者 君を傷つけてしまったし君の言うことも全然聴いてない 君が困ってるときは背を向けてしまう」なんて、そんなこと普通歌わない。わざわざこんなこと歌うなんてよっほどの偏屈男に違いない。
けど、バカ正直で身勝手でどうしようもない言葉だからこそ、歯の浮くような文句よりもずっと愛情に溢れた一節だと思うのです。こんなにも真摯なラブソングを僕は他に知らない。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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