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♪Qualtets / Stan Getz

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Stan Getz

スタン・ゲッツの音楽には羽根が生えている。アップ・テンポな楽曲ではまるで天国へ登っていくかのように雄飛していくそのメロディ。ダウンなブルースでさえ、まるで天使の羽根にくるまれるかのような甘く優しい気持ちにしてしまう。甘いといってもただ砂糖菓子のような甘さではない。心の内から湧き上がる甘い感覚、記憶以前に居たことがあるような何の辛さも厳しさもない世界の思い出のような甘さ。

聞くところによるとスタン・ゲッツは重度の麻薬中毒患者だった。演奏する時は必ずヘロインを打っていたらしい。あの華麗で甘いフレーズの数々は大麻やヘロインが見せた夢の世界だったのだろうか。
スタン・ゲッツについては村上春樹氏の『意味がなければスイングはない』の第4章「スタン・ゲッツの闇の時代1953-54」の文章があまりにも的確なので拙文を書き連ねるよりも引用させていただくこととする。

「彼の当時の音楽には、予期しない時に、とんでもないところから、よその世界の風がすっと吹き込んでくるような、枠組を超えた自由さがあった。彼は軽々と世界の敷居を超えることが出来た。自己矛盾をさえ、彼は普遍的な美に転換することが出来た。」

「彼のすばやい指の動きと、繊細なブレスが奇跡的に紡ぎだす天国的な音楽に、何も言わず、あるときには何も思わず、ただ耳を傾けていたいのだ。」



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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