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♪The Harder They Come

In Concert: Best of
In Concert: Best of

Jimmy Cliff

(拙訳:The Harder They Come)

奴等は俺に言う
「天国の美味しいパイがお前が死ぬのを待ってるぜ」って
けど奴等はおまえが生まれてから死ぬまで
おまえの泣き叫ぶ声を聞こうともしなかったんだ
あのお日様が輝く限り
自分の分け前は自分で頂くさ
奴等は厳しく攻め立てる
けれど惨めに崩れ去る
一つ残らずに

支配者たちがいつも俺を打ちのめし
俺を地べたにはいつくばらせようとする
奴等はこの戦いに勝ったつもりでいるけれど
神はやつらの行いを忘れはしない
あのお日様が輝く限り
自分の分け前は自分で頂くさ
奴等は厳しく攻め立てる
けれど惨めに崩れ去る
一つ残らずに

俺は俺がほしいもののために闘い続ける
死んでしまったらなんにもできなくなるもんな
けど操り人形や奴隷として生きていくくらいなら
自由な人間として墓に入った方がマシってもんだ
あのお日様が輝く限り
自分の分け前は自分で頂くさ
奴等は厳しく攻め立てる
けれど惨めに崩れ去る
一つ残らずに



ジミー・クリフ絶頂期のライヴ盤。このレコードははずせない。この軽やかさ、このしなやかさ。ゆったりしつつバネのあるリズム、ピンと張り詰めた声。しかし、そこに込められたメッセージは、虐げられ抑圧されてきた国・ジャマイカのハードな現実。シリアスなメッセージ。それこそがレゲエ。
どこぞの阿呆がAmazonのジミー・クリフのレビューに『理屈っぽくてレゲエ本来のやさしさ、安堵感、気楽さがない』といったようなことを書いてましたが・・・レゲエ本来のやさしさ、安堵感、気楽さがない???こんなへヴィな歌詞を持った歌のどこにやさしさや安堵感がある、っちゅーんじゃ。レゲエは元々いわゆる先進国にモノカルチャーを押し付けられ植民地支配された国ジャマイカの、抑圧されたゲットーから生まれた、抵抗と戦いの音楽なのだからして、理屈っぽいのは当たり前。レゲエにやさしさや安堵感を求めるのは勝手ですが、彼等の立っている場所からすれば明らかな勘違いなんだがなぁ。

ジミーは60年代初めのレゲエ黎明期からずっと今も現役で歌っている一時代を築き上げたスーパースターで、ボブ・マーリィに匹敵するキャリアを持ちながら、ボブに比べ残念ながら評価が低い。それは求道的で聖人的なボブに対して、どこかすっとぼけたような、飄々とした佇まいによるものだと思う。なんだかとても軽薄そうに見えるのだ。けれど、シリアスなメッセージをシリアスに歌うことより、軽やかに飄々と歌うことのほうが実はずっとタフでしたたかなことだと思う。
軽やかに、しなやかに、真っ正直に・・・そんなジミーのスタンスに憧れつつ今日もジミー・クリフを聴く。
すると、どんなに嫌なことだって笑い飛ばしてしまえそうな気がする。






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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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