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♪Wish You were Here

Wish You Were Here
Wish You Were Here

Pink Floyd

(拙訳:Wish You were Here)

自分で何言ってるのか、わかってるんだろうか
天国の裏には地獄が
青い空の向こうには痛みが
鉄のレールの下には緑の原っぱが
言ってごらんよ
微笑みと冷笑の違いを
話せると君は思うかい?
奴等は、君の英雄と亡霊を交換して行ってしまったのか?
樹木のための熱い灰
クーラーの風の背後には熱い風が
変化の裏には冷静な慰めが
カゴの中のトリになることと
戦いに参加することを交換してしまったのか?
君がここにいてほしいとどれほど望んでいるだろう
僕らはしょせん金魚鉢の中で泳ぐ失われた魂なんだよ
毎年毎年いつもと同じグラウンドを走らされるんだ
僕らが見つけたものは何?
そんなの昔っからよくある種類の恐怖じゃないのか?

君にここにいてほしい



昨年7月、ピンクフロイドの元リーダー、シド・バレットが死んだ。
シド・バレットは、サイケデリックムーブメントに傾倒し、冴えないブルースバンドだったピンク・フロイドをサイケデリックバンドとして67年にデビューへ導くがうつ病になり、更にクスリでおかしくなってしまい、結局68年にバンドを解雇される。それから38年間、最後まで引きこもったまま60歳で亡くなった。
この歌は、シドなきバンドを支えたロジャー・ウォータースがシドのことを歌ったとされる75年の作品。ピンク・フロイドの作品としては異質なくらいアコースティックで、ざらりとした手触り。ビルの谷間に吹く風のように、荒涼とした心の中を吹き抜けるような歌。
ロジャーには、向こう側へ行ってしまったシドも自分も紙一重なんだということがよくわかっていたんだと思う。人の精神とは、何かの弾みで簡単に壊れてしまうものだと。シドと同じ轍を踏まないためにロジャーはその苦しみに耐えた。シドが先に壊れたからこそロジャーは踏んばれたのかも知れない。そういう意味ではロジャーのその後、ピンクフロイドのその後はシドの精神の犠牲の元にあったわけだが、それはある意味シドはずっとピンクフロイドと共にいたということでもある。

人は精神を病む話といえば
鴻上尚史の戯曲『トランス』の最終幕はこんな科白で終わる。
「あなたが何に傷つきあなたでなくなったのか、あなたの悲しみの深さを私は知りません。ですが、あなたが私を必要としていることだけはわかります、あなたがどんな妄想に生きようと私を必要としていることだけはわかるのです。そしてそれはどんな妄想より大切な真実なのです。そしてあなたの側に私がいること 私の側にあなたがいること すべてはそこから始まるのです。私の愛する人は精神を病んでいます。ですが、私はとても幸福です。」

向こう側へ行ってしまった人を責めたりなじったりはしない。けど、僕は、こちら側で踏みとどまっていたいと願う。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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