Through the Past Darkly Rolling Stones
ストーンズについては書きにくい。高校生の頃、山川健一氏の「鏡の中のガラスの船」や「みんな19歳だった」を読んで以来、山川健一氏にはずいぶん多くのインスピレーションとインフルエンスを与えられてきたし、僕のROCKやBLUESに関する感じ方の多くは山川氏-いや親しみをこめて健さんと呼ぼう-の受け売りだ。あんまり血肉となりすぎて時々自分の言葉なのか健さんの言葉なのかわからなくなる、なんてこの言い方もどっかで健さんがジャンピン・ジャック・フラッシュについて書いていた言葉そのままだ。まぁ、決してパクリではなくインスピレーションとインフルエンスですから。キースがチャック・ベリーからインスピレーションとインフルエンスを与えられたように。
80年代にはずらりと書店に並んでいた健さんの本は今やめっきり見かけられなくなってしまった。そして健さん自身の書く内容も変わってきた。ROCKに関する文章はすっかりなくなり、小説からも音楽が聴こえなくなった。エッセイのテーマにいたってはポルシェやマッキントッシュ、五木寛之。新撰組や明治維新はまだしも、オーラやヒーリングと来た日にゃさすがに健さんも終わったなと思った。昔からの読者にそう思われることを承知で過去を封印したのか、或いは単にROCKに関する文章が売れる時代ではなかったのか、それともROCKやBLUESについてもう書くことがなくなってしまったのか。まぁ何にしても健さんなりにいろいろ苦しみながら、新しい世界を開こうとストラッグリンしてるんだな、と。
そんな健さんが、ストーンズ8年ぶり(21世紀初)のニューアルバムにあわせてまるで封印を解くように、ストーンズに関する本を出版した。しかも自分で作った出版社から。
この本で健さんは「ROCKとはどこまでも自分らしくあること」と言い切っている。50も過ぎたおっさんがだよ。でも、そうなのだろう。「どこまでも自分自身であり続ける」、たったそれだけのことを言いたいためだけに健さんはずっと書き続けてきたのだと思う。
(拙訳:ジャンピン・ジャック・フラッシュ)
のた打ち回る嵐の中で生まれ
ひどい雨の中で産声をあげたらしいよ
ま、なんでもいいっす わりとよくなくない?
ま、なんとかなるんぢゃない?
俺、ジャンピン・ジャック・フラッシュ
ぶっちゃけかなりやばいっす
歯のないひげづらの魔女に育てられた
背中にムチをビシバシ打たれて
ま、なんでもいいっす それってちょっとやばくない?
ま、なんとかなるんぢゃない?
俺、ジャンピン・ジャック・フラッシュ
ぶっちゃけかなりやばいっす
溺れて波かぶって死にかけ寸前
転んだら足血だらけだし
パンくずばっかじゃもううんざりだし
冠みたいに頭に釘打たれてるし
ま、なんでもいいっす それってちょっとイケてない?
ま、なんとかなるんぢゃない?
俺、ジャンピン・ジャック・フラッシュ
ぶっちゃけかなりやばいっす
ぶっとびギンギラでかチンぽん
ぶっちゃけかなりやばいっす
おかしな訳になってしまいましたけど。
リリース当初のストーンズの「新しい時代の価値観」って、今に例えるとこんな感じになるんかな、と。
It's a Gas って言葉はもともと「最低」とか「冗談」みたいな意味が転じて「最高」ってスラングになったらしい。それって例えば今の「やばい」って言葉の使われ方と似てるね。
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