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♪Let It Bleed

Let It Bleed
Let It Bleed

Rolling Stones



私の胸はいつも開いてるわ 
あなたの疲れた頭を、私に預けてお休みなさい 
ほんの少しのコークと同情がほしい時
私の駐車場はいつも空いているわ」
 って彼女は言ったんだ
(Let It Bleed)



ストーンズの歌詞を訳すのはとても難しい。単純な和訳では意味がうまく伝わらない、性的な表現の数々。
なので詳細な訳はここでは控えさせていただくことにするけれど、まさにミックの真骨頂とも言うべき性的で猥雑な描写の数々。この歌に限らず、ストーンズの歌詞はめちゃくちゃだ。
今やどこでも誰でも望めば性的に露骨な画像や映像を入手することが出来る。誰でも彼でもお手軽に見れるし、もう一歩踏み出せば誰もがその当事者になることもできる。そんな今でさえ、例えば年末の紅白でバックダンサーが裸の絵を描いたボディ・スーツで踊ったこと程度の茶番で非難を浴びるのだから、この時代にストーンズがやっていた表現っていうのは当時としてもかなりどぎつく際どくいわゆる良識ある大人からは眉をひそめられたのだろうと思う。もちろんそれが戦略というか、反旧体制、反旧モラルを掲げた新しい時代の担い手としてのストーンズの立ち位置だったのだろうし、だからこそ子供たちは拍手喝采を与え、虜になって、人生狂わせて行ったのだろうけれど。
そんな反社会的な行為がROCKらしかった時代からすれば、今はほんとなんて時代なんだろう・・・。反体制やインモラルまで取り込んで茶化してしまうんだから「時代」はROCKなんかより更にしたたかだ。今、反体制や反モラルなんて誰も歌わない。歌えないと言った方が正しいのだろう。だからその程度の歌でお茶が濁される。沈殿した抑圧はいじめや暴力でしか吐き出されないのなら、加害者にとっても悲惨な時代だと思う。

ひょっとして、まっとうに誠実に生きることが、今一番ヒップでクールな行為だったりして。




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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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