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♪I'm Steppin' Out

Milk & Honey
Milk & Honey

John Lennon & Yoko Ono


(拙訳:アイム・ステッピン・アウト)

これはある男の物語、そう、主夫の話。
セサミストリートばっかり見てたら気が滅入ってしまった男が、
今まさに外へ飛び出そうとする、そんな話。

今朝、目が覚めたら、
ブルースにまとわりつかれてしもた。
なんでかさっぱりわからへんけど。
キッチンへ行って、タバコを一服。
で、心配事を空へ吹き飛ばしたんや。

ぼちぼち出かけよか。
そろそろここから飛び出さんとね。

正しいことやと思わへんのなら
別にやらんかったらかまへんねん。
留守電にメッセージ残して
もうネジ閉めたって宣言して
言いたいこと全部言ってやりたいこと全部やった後には
誰からも喜んでもらえへんかったりするわけで
せやからそのネジを回そうや。

ぼちぼち出かけよか。
そろそろここから飛び出さんとね。

赤ん坊は眠ったし
猫も寝息たててるし
TVも何もやってへん。
最高にお似合いの
「宇宙服」に着替えてな、
街へ出かけて一発かましましょ。

ぼちぼち出かけよか。
そろそろここから飛び出さんとね。
行くで。
はみ出しまくりやもんね。
よっしゃ、行くで!
どっからでもかかってこんかい!




ジョンが殺される前に録音していた次のアルバムのためのデッドストックを集めたアルバム『Milk & Honey』のオープニング曲。この曲を聴くと、5年もの「主夫生活」も実はそろそろ飽きはじめてたんだろうか?なんて考えさせられるのです。
曲はジョンの原点ともいえるシンプルなロックンロール。
ジョンには、てんぱったときや次の転機の前には、ロックンロールに回帰する傾向があった。ビートルズに疲れたときのチャック・ベリーの“You can't catch me”を下敷きにした“Come Together”。所謂「失われた週末」の時期には“Nobody loves you when you down and out”なんていうよくあるブルースフレーズをモチーフにした痛々しいまでの名曲や、アルバム『ROCK AND ROLL』。
“Woke up this morning blues around my head”というフレーズで始まるこの曲をはじめ、このアルバムの3曲のロックンロールにそんなことを思ってしまうのは考えすぎか。

ジョン・レノン=愛と平和の人、なんて崇められることに今やなってしまったけど、ジョンはその時その時いろんな顔を見せてきた。チンピラロッカー、勲章をもらったスーパースター、ヤクにはまったジャンキー、愛と平和を唱える運動家、家庭を愛する父親、、、ジョンはいつだって、その時に興味のあるものにはまり続けてきた。周囲から今までどおりを期待されることにうんざりしながら、その時の自分に正直に。

1980年12月8日。あの日殺されなければ、ジョンはその後どんなことしたんだろう?
ラヴ・アンド・ピースに飽き飽きしていたことはこのアルバムの“I don't wanna face it”にある“Say you're looking for some peace and love Leader of a big old band You wanna save humanity But it's people that you just can't stand ”なんてフレーズからもよくわかる。ビートルズの再結成もきっとなかっただろう。
ひょっとしたらもう家庭ごっこにも飽き飽きして、ヨーコともその後あっさり別れてて、知的財産権なんかで裁判沙汰になったりして、ショーンよりも年下の若い女と再婚したりしてたりなんかしてたりして。
I'm stepppin' outを聴くとついそんなこと思ったりしてニヤッとしてしまうのです。
そして、そのことに立ち会うことが出来なくなってしまったことを本当に残念に思う。

ジョンが遺してくれた最大のメッセージ。
それは、自分に正直に生きること。
それこそがロックンロールのLesson №1。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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