「おはよう または こんばんは あなたのアナウンサーでございます。 シリアスなニュースの時間です。 今日お伝えするニュースは、世界の悲惨な出来事 。 そのニュースはみなさんの楽しみや笑顔を涙や苦痛に変えてしまうかもしれません。 今まさに愛が愛を必要としているのです。 遅れないで、今すぐあなたの愛を送ってください。 憎しみが地を走り、たくさんの人の心を痛めています。 どうか止めてほしいのです…手遅れにならないうちに。」 スティーヴィー・ワンダーの『Songs in the Key of Life』。 その一曲目“Love's In Need Of Love Today ”より。 Songs in the Key of Life / Stevie Wonder 「愛が愛を必要としているのです。」
震災から10日以上経って、今この一節がとてもしみる。
関西では停電もなく、食べ物も普通にあって、日常の暮らしは一見震災前と何一つ変わらない。
けれど、僕らの心の中は、良くも悪くも明らかに何かが変わった。
人間の命なんて実際のところこんなにもあっけなく軽いものなのかと愕然とし、失われてしまったひとりひとりの突然にストップしてしまった人生の無念さにまた愕然とする。
残された人の、かけがえのない人を失ったまま続いていく人生の深さに呆然とする。
生きることはこんなにも儚くもろく、けれどだからこそ愛おしいものだということを改めて思った。
くだらないものに振り回されたりしがみついたりするのはやめて、本当に大切なものだけを大事にしていこうと思った。
そして、誰も表立って口には出さないけれど社会の空気も少し変わった。
同じ時代にこの国に暮らしている人間同士としての連帯感のような空気を感じることができる。
大変なときこそみんなで助け合っていこう、という空気。それはとても好ましいものだ。
けれど、本当に大変なのはこれからだ。
緊急事態的な時期はひとまず過ぎていこうとしている。
張りつめていた重い緊張感が少しずつ解け、その代わり言いようのない苛立ちが増えてくるだろう。
直接被害がなかった地域でも、じわじわと生活の中にいろんな影響が出てくるだろう。
そんなときに利己に陥らないようにしたいと思う。
世の中はつながっている。自分だけが幸せという幸せなどありえないのだ、ということが今度の震災でとてもよくわかった。
シリアスなニュースばかりが流れる中で、うれしい便りがあった。
ブログ友だちの
Okada さんのところに、赤ちゃんが生まれたんだそうだ。おめでとうございます!
もうそろそろなんだろう、とは思ってはいたけれど、なんだか他人事じゃないみたいにうれしい。
命の軽さと命の重みをひしひしと感じたあとだけに、どんよりした曇り空が続く毎日にきらっと光りが射したような、そんな気分。
うちの娘がお腹にいる頃、911のテロがあって、そのとき僕は「こんな不安な世の中に生まれてくるこの子は本当に幸せになれるのだろうか?」とか「本当にいざというときに、子どもがいることが足かせになって自由な身軽さを奪われてしまわないだろうか?」なんて身勝手なことも考えたりした。けれど、生まれるとそんな思いはすべてふっとんだ。むしろ、子どもがいてくれるおかげで、ちゃんと希望を持って生きていくことが出来るのだと今は感じる。我が子が幸せで初めて自分も幸せになれる。この気持ちは、親になってみるまでわからなかったなぁ。
同じアルバムから、“
Isn't She Lovely ”を。
Isn't she lovely
Isn't she wonderfull
Isn't she precious
Less than one minute old
I never thought through love we'd be
Making one as lovely as she
But isn't she lovely made from love
僕らの愛情からこんな愛らしい子が生まれるなんて思いもしなかった。
この上なく愛らしいじゃないか?愛から生まれたこの子。
スポンサーサイト
やはり奥様でしたか。その悲しみは自分には幸いなことにまだよくわかりません。ただとても辛く悲しいものだとの想像はできます。気を落とさずに、という方が無理、まずはご自身の悲しみを癒してあげてください。
そうですよね、生きている者は、亡くなられた方のぶんまで一生懸命生きる、それが何よりの供養になるのでしょうね。僕もがんばります。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。