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♪荒れ果てた路肩を歩くんだ

季節はずれの雪がちらついている今日。
被災地の方々は凍えるように寒いだろう。そして停電の地域の方々も。
何も出来なくてごめんなさい。でも、決して他人事ではないと思っています。

改めて思うのは、ライフラインの大切さとありがたさ。
水道をひねれば水が出る。スイッチをつければ電気がつく。ガスのおかげであたたかいお風呂に毎日入ることが出来る。駅に行けば電車が来て目的地まで連れて行ってくれる。空港から、港から、工場から、農場から、貨物列車やトラックが行き来することでスーパーやコンビニに食べ物や日用品が運びこまれる。
その仕組みを支えている人たちに感謝。
そしてその仕組みは、想定外の事態にはとてももろいものだということを思い知る。
「日本の原発は安全です」なんて言葉を誰もが100%信用していたわけではないだろう。
けれど、一方で僕たちの普通の日常はもはや電気なしでは成り立たない。
その暮らしを支えるために、危険があるとうすうす知りながらも原子力発電所のある国を容認してきたのだ。そのことによる恩恵も享受してきたのだ。今更「だから危険だって言ったんだよ。」なんて後出しジャンケンみたいなことは言いたくはない。「あいつらが無能だからこんなことになったんだ!」なんて政府や電力会社を非難しても始まらない。今は、起きてしまったことが周囲に与える影響ができるだけ小さなものであるよう、できるだけ早く収束されこれ以上深刻な事態にならないよう、祈るような気持ちで見守るしかない。

いまだに、明るい音楽が聴けない。
テレビのニュースを見ながら、いろんなことを考えてしまう。
少しシニカルな気分になってしまう。
ルー・リードの“Satellite of Love”って、確かそんな風にテレビで繰り広げられる光景と自分の立ち位置の落差に呆然としながらニヒルになっているような歌だっけ、なんて思い出しながら「トランスフォーマー」を聴く。
絶望的な気分を、どろどろとした光景を、淡々とした声で歌うルー・リード。
音声を消したテレビに映し出される光景にとてもよくマッチしてしまう。
とにかく、人間の考えることなんて、自然の力の前では想定外だらけ。
そのことを今、嘆いても仕方ない。
憤っても仕方ない。
そもそもそういうものなのだ。
ウォーク・オン・ザ・ワイルドサイド。
荒れ果てた路肩を歩くんだ、ってルー・リードが歌っている。
ギターを手にとって、DとGのコードを繰り返しながら一緒につぶやいてみる。
Baby,take a walk on the wildside
I said “Hey honey,Take a walk on the wild side”...

そうなんだろう、きっと。
ワイルドサイドを歩くんだ。
そう思ってしまえば少し気分がラクになる。
気が紛れて気休め的にラクになるというのとは全然ちがう、何ていうのかな、むしろ清々しいくらいに。
ワイルドサイドを歩くんだ。
どんなことが起きたって受け入れる覚悟を決めろ、腹を据えろ、そういう時代に生きているんだ。
ワイルドサイドを歩くんだ。
ドゥッ、ドゥドゥッ、ドゥッドゥッドゥドゥ、なんて鼻唄でも歌いながら。
そもそも人生なんて、最初から最後まで想定外だらけなんだぜ。


Transformer
Transformer / Lou Reed



Lou Reed- Walk on the Wild Side
Lou Reed performing "Walk on the wild side"


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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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