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被災され命を落とされた方の恐怖と無念を悼みます

何から書き始めたらいいのだろうか。
被災地の想像を絶する惨状に、言葉が見当たらない。

大阪でも揺れが長い時間続いた。
阪神大震災を思い起こしてどきどきした。
いざ自分の身に何か起きた時には、とてもすぐに行動など出来ないものだと痛感した。
まさか、東北地方があんなことになっているとは、想像すらしなかった。

倒壊する建物の下で息苦しい思いをしながら死を待つのは嫌だ。
襲ってくる津波に押し流されてがらくたのように死ぬのは嫌だ。
でも、家族や友達の安否を気にしながら身が引き裂かれるような思いをするのもとても辛い。
体育館に並んだ損傷の激しい遺体をひとりひとり見比べていくことなんてとてもできそうもない。
透析を受けているうちの父親なんかは、運よく生き残ったとしても、透析を受けることが出来なければ死ぬしかないのだ。
洩れた放射能の目に見えない恐怖。
明日の生活が見えないことの恐怖。
人の暮らしの儚さ、やりきれなさ。
耐えられるだろうか。

大阪は今日はとてものどかな春の陽射しに満ちている。
テレビの中での出来事が嘘のようにとてものどかだ。
けど僕の目には、目の前の川が氾濫し、目の前の家が土砂にまみれて流され、すぐ近くの工場が火を噴いて燃え盛り危険な化学物質をまきちらかし、道路はぼこぼこに陥没し、電車やバスは横転し、すぐそばのマンションやビルが崩れ落ちている風景が見える。
それは、この国に暮らしている誰にでも起こりえることなのだ。
薄っぺらい毛布の上で子どもがブロックやミニカーやプラレールで町を作って遊んでいる。
毛布の端っこをちょっと引っ張れば、おもちゃの町はいとも簡単に崩れ落ちてしまう。
コップの水をひっくり返しただけで、おもちゃの町は水浸しになってしまう。
便利で快適な暮らしは、そんなふうに、実はとても脆弱な基盤の上に成り立っている。
原発のことをはじめ、多くのリスクを伴っている。
この国で暮らすということは、そういうことなのかもしれない。
想定以上の事態に対して、怒りを露わにしたところで仕方がない。
そのときのための覚悟だけはしておいたほうがいい。



とても気分が重たくて、何か音楽が聴きたいと思うのだが、聴きたいと思うものが見当たらない。
頭の中でずっと鳴っているのは、ボブ・ディランのしわがれた声だ。
例えば、とてもヘヴィな予言のような歌、「激しい雨が降る」(A Hard Rain's Gonna Fall)
 
 
 どこにいっていたんだい?青い目の我が息子よ
 どこにいっていたんだい?愛しい息子よ
 僕は十二の山に登り、もやが立ち込める山肌をよろめき躓きながら歩いていたんだ
 六つの曲がりくねったハイウェイを歩いたりはうようにしながらすすんでいた
 七つの悲しみに沈む森の真っ只中へと足を踏み入れていた
 森を抜け出れば、十二もの死んだ浜辺が広がっていた
 一万マイルも歩き続けて、ようやく墓場の入り口へとたどり着いたんだ
 そして激しい、とても激しい
 とても激しい雨が降ってくるんだ
    (中川五郎訳:ボブ・ディラン全詩集 1962-2001 より)


被災され命を落とされた方の、恐怖と無念を悼みます。
被災された方々の心の痛みや現実的な苦しみが少しでも早く緩和されることを祈ります。




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コメント

[C381] Re:

たか兄さん、こんばんは。
僕も書きかけの記事はありましたがとてもそんな気持ちにはなれませんでした。
普段は食品系の流通の仕事をしているのですが、水産業を中心にたくさんの取引先も被災しました。工場が流された、従業員の安否が不明、そんないたましい話もたくさん聞きました。自然の力とはいえ理不尽です。何か力になれることを少しでも、と思います。
  • 2011-03-14 22:15
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C380]

 今晩は。
 ブログの音楽記事を書き進めてたんですが、あの地震のことに書き変えてから、
 何も手に着かなくて・・。
 私も音楽でいろんなことから助けてもらったんですが、聴く気すら起きなくて。
 私には、何ができるのだろうってばかり考えたり・・。
 ディランかぁ・・。  いいかも。
 確か“Blow In The Wind”の歌詞に、
 「山が海に流されるのに、どれだけ時間がかかるのか」って詞があったなぁ。  
 これは社会の“波”のことを言ってると思うけど
 結局、答えは風が吹くだけと、はぐらかしてるだけ。
 他愛もないこと書いて、すいません。
 一刻も早い復旧と回復を願うばかりです。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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