いくら眠っても眠り足りない。 晴れていてもどこかどんよりした感じがする冬のお天気のせいだろうか、それとも風邪? そんなわけで、コタツにもぐりこんでぼんやりテレビを見ていた休日。 ワイドショーは案の定海老蔵だらけ。若造のケンカのことなんか誰だってどうでもいいと思っているのに違いないのに。 そんなことより先週なぜかとても心に残ったのは、「あかつき」の金星探査の失敗のニュースだった。 金星の周回軌道に入り2年にわたって金星大気の挙動を継続的に観測する予定だった「あかつき」は、軌道投入に失敗。次に金星の軌道に入る6年後に再チャレンジするのだそうだ。 6年後。 宇宙の、気の遠くなるような時間の流れの中では、6年なんてまばたき程度のほんのあっという間のことに違いない。けれど、地球から遠く4千万km離れた宇宙空間をさまよう「あかつき」の姿を想像するとき、機械を擬人化して必要以上の思い入れをするのはどうかと思いつつも、そのミッションのとてつもない孤独さに、なんだか泣き出しそうな気分になってしまう。 燃料は続くのだろうか。電波はちゃんと届くのだろうか。太陽に近づきすぎて焼けてしまわないのだろうか。そんな心配を抱えながら、音も匂いも何もない宇宙空間を漂う孤独な6年間。 6年後。 僕はその次の春に50歳になる。ずいぶん白髪は増えているのだろう。腹もずいぶん出てしまっているのではないか。そもそも無事健康でいられるのだろうか。娘はもう15才。ちゃんとまっとうに育ってくれるのか。父母はまだ生きているか。友人はみんな生き残っているか?仕事はどうなっているだろうか。これから新しくチャレンジしようとしている課題はうまくいくにしろ失敗するにせよ、もうはっきりと結果が出ているだろうけれど。それから…。 たぶん、いろんな出来事があって、いろんなことが変わっていくのであろう6年という月日。 どうか、うまくいきますように。 なんとなく「あかつき」に、そんな願いを込めたくなってしまう。 MARCH / MUTE BEAT 宇宙空間のように無機質で冷たく静かでだだっぴろい空間の中を淡々と歌うこだま和文さんのトランペットは、孤独をまとって儚げながら、凛としてとても力強い。
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ハハハ、僕も普段は「知ったこっちゃねーや!」って感じでいきたいと思ってます、てか、考えない。そもそも考えても仕方ないことは考えても仕方ない(笑)。ただ、なんとなーくこの六年は大きな意味があるように感じたのです。「はやぶさ」も「あかつき」も、つい感情移入してしまうくらいロマンチックなんですもの(笑)。