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♪(What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding

Surrender to the Rhythm
Surrender to the Rhythm / Brinsley Schwarz


(What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding

 気が狂いそうな暗闇の中 光を探して
 このひどい世の中を歩いている僕
 ときどき思うんだ
 希望はもう失われてしまったのかな
 ここのあるのは苦痛と憎悪と悲惨ばかりなのかな
 いつも、なんとなく思うんだ
 僕が知りたいのはこんなこと
 "平和""愛"、そして"お互いを理解しあおうとすること"の
 どこがそんなに可笑しいっていうんだい?
 それとも、今更
 "平和""愛"、そして"お互いを理解しあおうとすること"なんてスローガンは
 もはや笑われちゃうくらい可笑しなことになっちゃったのかな

 トラブルだらけの時代を歩んでいる僕
 ときどきひどく落ち込んじゃいそうになるよ
 「強さ」はどこへ行った?
 「信頼できる人」は誰?
 そして「調和」はどこへいった?
 あの素敵なハーモニーは?

 逃げ出したくなっちゃうよね
 それとも大声で泣き叫ぼうか
 "平和""愛"、そして"お互いを理解しあおうとすること"の
 どこがそんなに可笑しいっていうんだい?
 それとも、今更
 "平和""愛"、そして"お互いを理解しあおうとすること"なんてスローガンは
 もはや笑われちゃうくらい可笑しなことになっちゃったのかな


"お互いを理解しあおうとすること"という言葉がとても虚しく響く今日この頃。
政府が政策として非公開としていた画像をYouTubeにアップした人物の目的がイタズラなのか義憤に駆られてのことなのかはわからないけれど、いずれにしてもそのことが世界中に伝えたメッセージは「私達の国は今、ブレてますよ~ 弱っていますよ~」ということでしかなかったのではないか。
お互いがお互いのやることに揚げ足とりあって、それで一体どこへ向かおうっていうんだろう。
マスコミは鬼の首を取ったように「危機管理がなっていない」だの「最初から公開していればこのようなことにはならなかった」だの騒ぎたてているけれど何か違和感を感じて仕方がない。小学校の時クラスに一人はいたような学級委員長タイプの口やかましい女の子みたいな薄っぺらい正義感を振りかざすうっとおしさ、みたいな。
…「先生、男子が授業中なのに関係ないことをたくさんしゃべってきてうるさいんですぅ!昨日も○子ちゃんが注意したのに注意した○子ちゃんに『うるさいブス』とかひどいことを言っていました!それから体育の時も整列しないでしゃべっているから文句を言ったら砂を掛けたりするんですよぉ。暴力はいけないと思いますぅ!男子にはとても反省してほしいと思いました!」…いや、わかったけど、しゃべっていた男子と同じくらいおまえもうるさいって…(笑)。

よその国とのお付き合いは、乱暴に言えば小学校のクラスと同じようなもんだ。いろんな考え方を背景にしたいろんな奴がいて、力関係が明らかに存在する。
強い奴に取り入って主流派グループで偉そうにしていい気になっていたら、ちょっとした弱みからいきなりいじられる側に転落したりするのはよくあること。「お互い味方同士だよ。」って約束した友だちも、そんなときにはクラスの風向きを見て平気で裏切ったりする。この間まで自分に対してへぇこらしていた奴が、いきなり理不尽なことをつきつけてきたりする。
弱みを見せないためには「俺はこう思う。」ということはちゃんと主張すること。それもムキになってわめくんじゃなくて目に力を込めて毅然と。それから、後になってからうじうじぐだぐだ言わないこと。相手に非があったとしてもとことんとっちめないこと。やりすぎると思わぬしっぺ返しを食らうことになる。好き嫌いのレベルになって来るともう理屈が正しい・正しくないの問題ではなくなってしまうものだ。
…なんだか、この国、いじめられっ子になりそうな気がして心配だな。


まぁ、それはさておき。
この曲はエルヴィス・コステロのバージョンで有名だけど、元々はブリンズリー・シュウォーツがオリジナル。ほとんどの曲を手がけリード・ヴォーカルを担当していたニック・ロウ(b)がその後、ダムドやコステロやプリテンダーズをプロデュースしたり、自身もソロ・アーティストとして活躍したことはご承知のとおり。
ギターのブリンズリー・シュウォーツやオルガンのボブ・アンドリュースはバンド解散後、グレアム・パーカーのルーモアに加入したり、このバンドがパンク以降の英国ロックに果たした役割はとても大きいのだが、音楽そのものはザ・バンドから影響を受けたようなカントリー・テイストのほんわかしたサウンドが持ち味だ。
もったりしたリズム、貧乏くさいくらいのすかすかの音。
そのすき間の中をいなたいギターやオルガンが行き来する。
そして、飄々としてすっとぼけた歌。
一聴すればアメリカのバンドにしか聴こえないのだが、どこか諧謔的で皮肉っぽい歌いまわしはやっぱり英国気質、という感じがする。

最近はジャクソン・ブラウンとシェリル・クロウがライヴで演ったとか、ずいぶんいろんな人が「愛と平和のメッセージ・ソング」として歌っているらしいこの曲。
確かにブルース・スプリングスティーンあたりが歌えばとても熱い反戦ソングになるんだろうな。それはそれでいいんだけど、僕はもっとアイロニカルな歌として書かれたんじゃないかと思う。
ニック・ロウがこの曲を書いたのは1974年。
60年代末に大きな盛り上がりを見せたベトナム反戦運動を代表する平和運動や社会主義革命を求める運動は、やがてくだらないセクト抗争に終始するようになり、世界を変えることもなく雲散霧消し、"しらけ"の70年代を連れてくる。参加した多くの人々は、自分の学生時代の終わりを勝手に重ね合わせて、髪を切って社会人になった。
この歌は、そんな「あの時あんなに熱く語っていたあんたらはどうしてそんな風にシニカルになっちゃったんだい?」と揶揄する感じを一枚、歌の内側に練りこんであるような気が僕にはするのだ。そんな簡単にあきらめちゃう程度のものだったのかい?っていうたっぷりの皮肉とともに。



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コメント

[C233] Re:

Colさん、はじめまして。
大上段に構えないで、さらっとチクッとメッセージを塗りこめるやり方の方がかっこいい、と僕も思います。
Blog拝見しました。世代も、聴いて来たものの背景もわりと近いのでしょうか。また遊びに行かせて頂きます。
今後ともよろしくお願いします。


[C230] はじめまして

確かにスプリングスティーンが歌えばもっと力強いかもしれませんが、そうじゃない方がメッセージを感じられる気がします
Buddy Hollyに通じるロックンロールの真髄ですね

個人的にはコステロの大ファンですが、この曲に関してはオリジナルは越えられない気がします

映画「Lost in Translation」でビル・マーレーがカラオケでこの曲を歌ってますが、これは彼の意志で撮影したシーンではないか?と思ってます

[C222] Re:

LA MOSCAさん、こんばんは。
ずいぶん適当な訳なので真意を汲んでいるかどうか微妙なのですが(笑)、まっすぐに拳を振り上げるような感じじゃない訳にしたかったのです。ちょっと斜に構えて皮肉っぽい態度をとりながら、やっぱり何かを信じたいと思っている…みたいな。
ちなみに楽曲としての出来栄えはコステロ・バージョンの方が断然イイですよ。ブリンズリーズの魅力はもっと田舎くさい曲にあります。
マシュー・スウィート&スザンナ・ホフスのは例のカヴァー・アルバムには入っていないんですね…いいモノ聴けたLA MOSCAさんがうらやましいっす!

[C221] Re:

nyarome007 さん、こちらこそご無沙汰しております。
そもそもは土曜日いいお天気だったのでほんわかする音楽を、なんてブリンズリーズを聴いてのんびりしていたのですが、ネタ探しに検索していたらこの曲が愛と平和の反戦歌みたいに持ち上げられていてなんとなく違和感を感じたもので、ついこんな文章になってしまいました(笑)。
ふらふらしているこの国、そのふらふらの源はどうも学生運動の挫折から始まっているような気がして…。あの時代に震わせたはずの熱い魂がホンモノだったのならば、さっさと一丁上がりにならずに、壊してきたあんた達でもう一度作り直してみてよ、みたいな感じが、年下の僕らの世代から見るとしてしまうのです。もちろん僕たちも、関係ないふりしている場合ではないのですが。

[C217] 感謝

この曲、俺はずっとコステロのバージョンを楽しんできたんですが、こんな素敵な歌詞だったとは知りませんでした。
ご紹介ありがとうございます。
あっ、4月にマシュー・スウィート&スザンナ・ホフスのライヴでコレ、聴いた時に驚喜乱舞したことも付け加えておきます(笑)

[C214]

ご無沙汰しております。
アメブロでは大変な目に会いましたね。
こちらに移行してからも、ちょくちょくROMっておりました。

さて、ブリンズリーズ。
私も大好きなバンドで、特に初期のザ・バンドの影響を受けた
土臭く、もったりとしたサウンドがたまりません。
「Silver Pistol」のアナログ盤は、つい最近までジャッケットを部屋にディスプレイしていたくらい。
紙ジャケとは縁を切ってもう3年程経ちますが、ブリンズリーズの紙ジャケが出るなら、
全部買ってしまうだろうなぁ、と、また妙な病気が再発しそうなのです。

「Peace, Love And Understanding」は、初期のいぶし銀のようなサウンドとは随分趣が異なるのですが、最高にカッコいいビートナンバーで、聴く度に気分が高揚します。
この歌、golden blueさんが書かれているとおり、ニック・ロウは皮肉と毒を込めて作ったはず。
それが現代においては、真っ当なメッセージ・ソングとして機能してしまっているところが何とも可笑しいですね。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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