8月1日は日本一の規模といわれる某宗教団体の花火大会の日。 僕はその宗教団体がこしらえた奇妙な塔がよく見える大阪のベッドタウンで育った。 その花火大会の夜は夏のイベントのひとつのクライマックスだった。 小さいときは家族と一緒に、思春期になってからはクラスメイトと、それから工場の屋上で職場の同僚と、毎年観ていた花火大会。 鮮やかで艶やかで豪快でしかも儚く散る花火は、確かに僕らの心に何かを残してゆくけれど、多分誰もが、純粋に花火を見たいと思って花火大会に集うわけではなかったのだと思う。普段はさして仲も良くない連中が、この日ばかりは共に集おうとする、その心理は何だったのだろう? すぐそこでたくさんの人が参加しているビッグ・イベントが行われている。それを拒否することは、まるで世界との関わりを拒否して世界から孤立してしまうようで、あえて背を向けるようなことはできなかったのだろう、と今振り返ってみてそう思う。天空を彩る美しい花火を見上げることでほんの一瞬出来上がる、一種の社会の連帯感のようなものから取り残されたくはなかったのだ。どんなに自由や孤独に憧れたとしても、どんなに強がりを言ったとしても、やっぱり人は独りで生きているのではなく、社会の中で生きていくしかない生き物なのだ。そういったある種の集団的連帯感は人が生きていくうえでやはり必要なものなのだろう、きっと。 ライヴ会場は、そういった意味でも人と人との心を結び付けるには最適の、素晴らしい場所だと思う。 ステージの上で自らの魂を開いてみせる演奏者たちと、それに共鳴するオーディエンス、その場に充満するスピリチュアルな波動のようなもの。そこには人間の社会の最も善きもののひとつが確かにある。 そういえばもうずいぶん長い間、素晴らしいライヴに足を運んでいないなぁ、などと思いつつ選んだのは、暑い夏に聴くのに相応しい、暑苦しくそしてとてつもなく熱いライヴ盤5枚。 魂の波動は、ごく稀にだが、レコードにまで刻み込まれることがある。 Live!/Bob Marley & the Wailers ゆったりしているのによくうねる、しなやかで強靭なバネのようなグルーヴ。
空気を震わせて伝わってくる、ボブ・マーリィが発する“気”に圧倒され放心する。
Gratitude/Earth Wind & Fire 賑やかで暑苦しくクレイジーな祭典の実況。
リオのカーニバルとか、徳島の阿波踊りとか、そういった類の熱狂を呼び起こす世界
…なんせアルバム邦題『灼熱の狂宴』ってなぐらいのもんで。
Live/Donny Hathaway このアルバムの素晴らしさはどう表現したらいいのだろう。
日常の暮らしの中の悲しみ、怒り、苦しみ、辛さ、悦び、楽しみ、慈しみ、諸々の感情をすべて音楽として昇華したような人間臭く生温かい演奏。
汗と涙でくちゃくちゃになる。
the TEARS OF a CLOWN/RCサクセション いつか見た、真夏の野音のRC。
清志郎さんの病状の一刻も早い回復を祈ります。
Live at Leeds/The Who ♪Sometimes I wonder what I'm gonna do
but there ain't no cure for the SUMMERTIME BLUES!
時々、何やってんだ、俺?って思ったりもする。どうにも癒しようがない、真夏の憂鬱。
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