お日様が射さない朝はとても寒い。 空気がツンと冷えきってる。 吐く息は真っ白、指先や足元はビリビリとかじかむ。 毎朝通る工場の玄関脇に置かれた灰皿の中の水がカチンカチンに凍っている。 子どもの頃は真冬でも半ズボンで走り回っていて、水たまりの氷を踏んづけたり霜柱をサクサク踏み潰したり軒下に出来たツララを割って振り回したりしていたのに、今じゃジャージの上からスーツはいてセーター二枚着込んでダウン着込んでもまだ寒いのだから我ながら情けない。 そういや霜柱、長いこと見ていないなぁ。 アスファルトだらけの街中ではなかなかね。 Motel Shot / Delaney&Bonnie 冷えきった日には、暖かい音楽が聴きたくなる。
それも、じわじわと心から温まるような。
例えば、デラニー&ボニー&フレンズの「モーテル・ショット」。
「モーテル・ショット」とは、ツアー途中の宿泊先や移動のバスの中なんかで繰り広げられるミュージシャン同士のジャム・セッションのことだそうだ。
長い長いツアーの日々、何にもない田舎のモーテルにたどり着いたミュージシャン達。
誰かの部屋に集まって、酒を酌み交わす。そのうち酔っぱらった奴が、誰彼ともなく楽器を取り出して歌を歌い始める。隣にいる奴がハーモニーをあわせ、その隣にいる奴がおもむろに椅子やら膝やらそこらへんに転がっていたタンバリンやらを叩いてリズムを取り始める。やがて、部屋中が大合唱になり、大演奏会になる。
熱い、というよりはじんわり温まってくるような、ほのぼのして暖かいセッション。
この土臭い素朴な感じ、リラックスした雰囲気がたまらなくいい。
誰もが、何かのためではなく、自分自身が楽しむために演奏している。
そして、そのことをみんなが楽しんでいる。だからますます楽しくなる。
自然と笑顔がこぼれてくるような、なんていうんだろうか、善の好循環。
きっと長いツアーの中では人間関係のイザコザや利害の衝突なんてのもいろいろあるんだろうけれど、いざ音楽を真ん中にしてしまえば、そんなことはすぐにどうでもよくなっちゃう、みたいな。
職場なんかも本来そうあるべきだよなぁ、などと思いつつ、なかなかそうはいかないものらしい、と苦笑い。
外は冷たく乾いた風。
明日もかなり冷え込むんだろうけれど、ポケットに忍ばせたウォークマンからは小さな温もりが聴こえてくるから大丈夫なのだ。
Delaney&Bonnie&Friends-Never Ending Song of Love Delaney&Bonnie&Friends-Going Down The Road Feeling Bad ところで、霜柱が出来るメカニズムとは?
霜柱とは、地中の温度が0℃以上かつ地表の温度が0℃以下のときに、地中の水分が毛細管現象によって地表にしみ出し、柱状に凍結したものなのだそうだ。
まず地表の水分を含んだ土が凍る。そこで、凍っていない地中の水分が毛細管現象で吸い上げられ、地表に来ると冷やされて凍ることを繰り返して、霜柱が成長する、というわけ。
地表と地中の温度差、また土が適度の水分を含み、踏み固められておらずやわらかいことなど、霜柱ができるためにはいくつかの条件が必要なのだそうです。
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こんなときは、あたたかくしてあたたかい音楽を聴くに限ります。
デラニー&ボニーの素朴なファンキーさはなかなかよくあたたまりますよー。