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♪I must be in a Good Place now

すっかり朝晩はひんやりするくらいになった。
気候が涼しくなると、ピアノやアコースティック・ギターの音がとても恋しくなる。
それも、とてもすき間の多い空間で少ない楽器がひっそりと響き合っているような感じの。
やわらかくて優しげな、けれどしっかりと鼓動が鳴り響いているような。

今日繰り返し聴いていたのはそんな音楽。

Bobby Charles
Bobby Charles / Bobby Charles


今年の一月に亡くなられた、ボビー・チャールズさんの1972年のアルバム。
ロックファン、とくにアメリカ南部の音楽が好きな方にとってはとても有名な名盤なのだけど、僕はつい最近まで聴いたことがなかった。もっとフォーキーな音だと勝手に思い込んでいたんだな。1957年にはチェス・レコードで録音していて、しかもチェス側はテープだけを聴いてボビーを黒人だと思い込んで契約したことだとか、"See You Later Alligator"の作者だった、なんてことは、訃報があってから初めて知ったことだった。

とてもやわらかな響きの音楽。
沁みる。
まるでレイ・チャールズみたいな節回し。
脇を固める、ザ・バンドのリック・ダンコ、リチャード・マニュエル、ガーズ・ハドソン、レヴォン・ヘルムに、ドクター・ジョン、ジェフ・マルダー、エイモス・ギャレットといった面々の音も実に優しい。
熱い紅茶でも入れてほっこりしたくなる。

中でも大好きなのはこの歌。
“I must be in a good place now”。

 リンゴの花が咲き乱れている
 とても素敵な場所に僕はいるんだな
 七色に染まった空から降りそそぐ陽の光が
 僕の心に落書きをする
 
 魚釣りにうってつけの日
 そして丘の向こうに沈む夕日をつかまえに行こう
 僕の夢は昨日も明日も
 あなたがまだそばにいてくれること

 見つけた蝶々にあなたの名前をつけてみた
 あなたの名前はとても心地よい響きがするから
 愛はそこらじゅうに満ちあふれ
 そして僕に見えるのはあなただけ
 
 とても素敵な場所に僕はいるんだな
 そう、僕はとてもシアワセなのに違いない


~must beは「~なのに違いない」という構文だから、直訳すれば「私は今ひとつの良い場所にいるに違いない」という意味になるのだけれど、歌われているのはもっと淡い、夢見心地というか、少し実感を伴わない幸せ感なのかなぁ、という気がする。
Youのところは、具体的な人物を想定すればとても甘いラブ・ソングにもなるけれど、もっとふわふわした捕らえどころのない感情・・・夢とか愛とか希望とか幸福とか・・・言葉にしようとしてもとてももどかしい、手を伸ばせばすぐに壊れてしまうような形にできない、そんな心持ちのことなのではないかなぁ、なんて思いながら訳しました。





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コメント

[C223] Re

つき子さん、たくさんコメントありがとうございます。
まったく、世界中の人がI must be a good place nowだったらいいですよね。
good place と思えるかどうかは、心の持ち方ひとつなのかも知れない、と思ったりもします。少なくとも、他人と比べてないものねだりをしていたらいつまでたっても絶対幸せにはなれない、幸せかどうかは自分のモノサシで測りたいです。
そんなことは、今、恵まれているからこそ言えることなのかもしれませんが。

[C218]

世界中の人が “I must be a good place now”だといいね。それが無理なら、“my good
place ”と思うところがあるといいね。
  • 2010-11-08 23:24
  • つき子
  • URL
  • 編集

[C184] Re:

mono-monoさん、はじめまして!
ブログ、拝見いたしました。素敵なブログですね!またゆっくりお邪魔させていただきます。
ボビー・チャールズさん、おっしゃるとおり"針を落とした瞬間に部屋の空気が変わる"素晴らしいレコードですよね。出会えてよかったレコードです。
これからもよろしくお願いします。

[C183] “I must be in a good place now”

はじめまして。
mono-monoと申します。
いつも更新を楽しみに読ませていただいておりますが、今回大好きなレコードの大好きな曲が紹介されているのを見て、たまらずコメントさせていただきました。

この「BOBBY CHARLES」は、ジャケットも曲も参加メンバーも完璧なレコードですよね。
でも「完璧」って言うとなんだか違和感を感じるような、風通しの良い音楽なのですけれど(笑)
聴けば聴くほど味わい深い一生もののレコードです。

手前味噌ではありますが、ボビー・チャールズが無くなった時に書いた私の記事を読んでみていただければ幸いです。
http://mono-mono.jugem.jp/?eid=615
この記事後、彼の「LAST TRAIN TO MEMPHIS」との出会いもありました。
http://mono-mono.jugem.jp/?eid=641
とても素晴らしいCDなんでよろしければいつか聴いてみてください。

硬軟取り混ぜた御ブログの更新をこれからも楽しみにしております!

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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