明日が旧暦の8月15日。いわゆる中秋の名月。 今日はまだ満月には少し早いけれど、お月様が夜空にぽっかり。とてもきれいだった。 中秋の名月の前の日のお月様を、待宵月というらしい。とてもきれいな名前だと思う。 帰りがけに眺めて帰って、それからまた風呂上りにビールを片手にちょっとお散歩しながらお月見して、そんなこんなですっかり上機嫌になってしまった。 月夜やお月様を歌った歌は数限りなくある。 ドアーズの“Moonlight drive”、テレヴィジョンの“Marqee moon”、ニール・ヤングの“Harvest Moon” 。ヴァン・モリソンの“Moondance” にトム・ウェイツの“Grapefruit Moon”、あ、デニス・デ・ヤングの“Desert Moon”も好きだったなぁ。それから、ビートルズなら“Mr.Moonlight”、ストーンズなら“Moonlight Mile”、スタンダードなら“Blue Moon”に“Sailboat in the moonlight”に“Moon River”に“月光値千金”。矢沢永吉の“セプテンバー・ムーン”、ARBの“セプテンバー・ムーンライト”、スガシカオの“黄金の月”、もちろんRCサクセションの“ハイウェイのお月様”にチャボの“月夜のハイウェイ・ドライブ”。忘れちゃいけない大島保克とBEGINの“イラヨイ月夜浜”。それから、月夜の道を歩いているとなんとなーく口ずさんでしまうのは“月がとっても青いから”だったり“月の砂漠”だったり。 数え出したらきりがないくらいたくさんあるだろうし、人それぞれ思い出すような歌がきっとあると思うのだけれど、そんな中で、あえて「今日のおんがく」に選んだのはこれ。 グレン・ミラー楽団の
“ムーンライト・セレナーデ” 。
きっと誰もが知ってる名曲中の名曲。
なんてロマンチックな演奏なんだろう。
グレン・ミラーは1904年生まれ。1937年に自己の楽団グレン・ミラー・オーケストラを結成後、バンドリーダー、作編曲家として絶大なる人気を博し、1942年に兵役に徴集されるまでにたくさんのヒットを放ったが、除隊後に慰問演奏で訪れたフランスで飛行機が撃墜され死亡した。
…というようなことは、さっき調べて初めて知ったのであって、それくらいこの手の音楽には疎かっのだが、聴いてみるとこれがとてもいいのだ。当たり前だ、もう70年以上も昔から愛され続けてきた音楽だ。悪いわけはない。
ムーディーな曲もいいけれど、“Chattanooga Choo Choo”や“Pennsylvania 6-5000 ”みたいなダンス・ナンバーがかっこいい。とてもソウルフルだと思う。
若い頃は、こういう音楽はとても古くさい、年寄りの音楽だと思っていた。「ロックだぜっ!」なんてかっこつけててこんなぬるい音が聴けるかよっ!って。そういう意味では確かにおっさんになったからこそ聴けるのだけど、老けこんでしまったというのとは少し違う。素直に聴いてみたらとても豊かな音楽だったということに今更ながら気付いたという感じ。何しろ1940年代初頭には一番ヒップな音楽で、こういう音楽で踊る当時の若者達を当時の大人たちは眉を顰めて見ていたのだ。それはロックもパンクもディスコもヒップホップも全部同じこと。そもそもチャック・ベリーだって、ボ・ディドリーだって、レイ・チャールズだって、マイルス・デイヴィスだって、きっとこれを聴かなかったはずがないのだ。
そう、なんであれいいものはいい!それを素直に許容してみる程度には大人なのだ。
…などと言い訳をしたくなったのも、やっぱりこの“ムーンライト・セレナーデ”の演奏がロマンチックすぎるから。“ムーンライト・セレナーデ”を聴きながら大好きな人と月夜にダンスできたら、それはなんて素敵なことなんだろうか!なんて思ってしまうのだ。
それにしても、お月様は素敵だ。
まんまるいお月様は豊饒の象徴。やわらかい灯りは癒しの象徴。
そして、欠けてはまた満ちていく姿は、無常と永遠を教えてくれたりもする。
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グレン・ミラーで月夜に乾杯・・・うーん、確かにシャれてますね。我ながらあまり似合わない(笑)、でも、月夜やグレン・ミラーの音楽には、そんな気分にさせてしまう何かがあるのですね。
お誕生日だったんですか?おめでとうございます!ついつい飲みすぎちゃうのは、いい酒、いい飲み方故のことですから、悪いことじゃないですよ。
しかし、「月うた」ってやっぱり人それぞれたくさんありますね!