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♪森へ行きたい

Belly of the Sun

Belly of the Sun / Cassandra Wilson


森へ行きたい、と唐突に思った。
海じゃない、森だ。
くつろぎたいのなら、森だ。

そよそよと涼しげな風を受けながら、木陰から洩れるやわらかな陽射しの中でお昼寝したい。
心地よい光と空気の中でゆらゆらしながらうとうとと眠りに落ちる幸福。
降り注ぐアルファー波、あぁ、リラックス。。。

しかし行きたいのは「森」。「山」ではない、「森」なのだ。
日本は山だらけだから、木がたくさん集まっているところを指して「森」と呼ぶのであれば「森」はたくさんある。でも、僕の頭の中のイメージにあるのは、そういう「森」じゃなく、村のはずれや丘の向こうにこんもりと生い茂っているような森。鬱蒼とした感じではなく、背の高い樅の木や大きな切り株があって、太陽の光や風はじゅうぶん届いてくる明るい森。イメージとしては原田知世が出ているブレンディのCMみたいな、あぁいう感じの(笑)。
さて、そんな森はどこにあるんだろうか?
どうも日本にはなさそうだな。


BGMはカサンドラ・ウィルソンの"ベリー・オブ・ザ・サン"。
ブルースの聖地、ミシシッピ州クラークスデイルの古い駅舎を改造したスタジオで録音されたというこのアルバム、アコースティック・ギターとパーカッションが紡ぐゆるやかなリズムが心地よい。
とはいっても、いわゆるさわやかさとはほど遠い。カサンドラの声は太く低くハスキーで、どこか妖しげな佇いで、ジャンル的にはジャズ・ヴォーカルとされてはいるものの、ジャズともブルースともソウルとも言いようがない、あまり聴いたことがない種類の音楽だ。あえて言うならば初期のブルースがロックと出会わずに洗練されていけばこんな音楽になったのだろうか、という感じ。
オーガニックでゆるやかなリズム、そしてカサンドラの深い声のヴァイブレーションに身を委ねながら、眠りに落ちそうで落ちない意識と無意識の境界線をさまよう。ふわっと意識が遠ざかって大きなものに包み込まれている気分がする。とても心地よい。大好きな人といちゃいちゃしながら眠るような心地よさほどではないにしろ、だ。
あぁ、リラックス。
たまには体中のねじをあっちこっちゆるめて、とことん羽根を伸ばしてくつろぐことも必要だ。

今日からほんの少し、短い夏休み。



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コメント

[C81]

Okadaさん、こんばんは。
これ、なんか妙に気持ちいい音ですよねぇ。僕も初めて聴いたのはこれ、“The Weight”や“You Gotta Move”がどんなことになっているのかとても興味があって。最初はなんだ??って感じでしたがだんだん引き込まれてしまいました。不思議に癒されます。
お休み、ごゆっくりくつろいでください!

[C80]

あ、このアルバム時々聴きたくなって、こっそり聴いている一枚です。とはいえ、カサンドラ・ウィルソンのアルバムはこれしか持って無いのですが。
ぼくは明日からかなり短い夏休みです。束の間の休日、ぼくも思い切りリラックスしまくりたいです。そんな時のBGMにはこのアルバムは持ってこいですよね。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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