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Phantom Rocker & Slick VS Brian Setzer

golden(以下g):「革ジャン、バイクのヤンキーっぽいロックンロールで思い出したんだけど、80年代を代表するロカビリー・バンド、ストレイキャッツのことを書きそびれてた。」
blue(以下b):「ストレイキャッツな、“Sexy+17”とかめちゃくちゃヒットしてた印象はあるけどな、リアルタイムではなんかスルーしててんな。」
g:「そうだったっけ。」
b:「なんかな、チャラいし、ヤンキーっぽかったやん。ああいうロカビリーって、横浜銀蝿とかっぽいんちゃうかという先入観というか偏見があってな。」
g:「不良っぽくない普通の人が演るロックが聴きたかった、と。」
b:「ところがな、だんだんとロックンロールのルーツっぽいものを知るようになっていくと、エディ・コクランとかジーン・ヴィンセントとかカッコええやん、って思うてくるねんな。」
g:「佐野元春が“悲しきRadio”っていう曲の中で♪ジーン・ヴィンセント、チャック・ベリー、リトル・リチャード、バディ・ホリー、Any Old Rock'n'Roll、っていうフレーズがあって、そういう古いロックンロールに興味を持ったんだよね。」
b:「そう、聴いてみたらめっちゃカッコよくて。あぁ、こういうのを演ろうとしてたんやなぁ、ストレイキャッツは、と思うた頃にはあっさり解散しててん。」
g:「なるほど。」
b:「で、そのストレイキャッツの残党が、ギタリストのアール・スリックと組んだのがこのファントム・ロッカー&スリック。」
g:「キース・リチャードが参加したことも話題になったよね。」
b:「ギタリストのアール・スリックっていう人は知らんかってんけど、デヴィッド・ボウイやジョン・レノンと演ってたってきいてめっちゃ期待感高まったん覚えてるわ。」
g:「今やったらちょっと興味を持ったらすぐにSpotifyとかで聴けるけど、当時は“次は誰のどんなアルバム聴こうか”って考えたり想像したりするのが楽しかった。」
b:「今日はこれを聴こう!って決めてレンタルレコード屋へ行ったら置いてなかったり貸し出し中やったり。」
g:「レンタル店になくて輸入盤屋を探して、見つけはしたものの2500円出すべきかでさんざん逡巡したり。」
b:「で、大学2回生になったときにレンタルレコード屋でバイト見つけて、そりゃ働くしかないわって応募して。あれは大きかったなー。」
g:「うん、前回のジョン・ハイアットも、ファントム・ロッカー&スリックもたぶん自分で買うとなると見送ったんじゃないかな。」
b:「そうやってちょっといいなと思っても聴き逃したレコードっていっぱいある。」
g:「で、ファントム・ロッカー&スリック。」
b:「なんかな、ストレイキャッツのイメージとは全然違う、ノリのずっしりした骨太のロックを演ってたからビックリしたわ。」
g:「ストレイキャッツのリズム隊、スリム・ジム・ファントムとリー・ロッカーっていうと、バスドラなしで立ちながらスネアだけ叩いてるドラムとウッドベースっていう印象だったからね。」

Phantom Rocker & Slick/ Phantom Rocker & Slick(1985)

g:「王道のロックっていうか、勢いがあって、かつ、したたかでタフそうで。」
b:「ストレイキャッツのイメージより全然チャラくないねんな。」
g:「硬派っぽいし、せーの、で演った感じの勢い、ノリのよさがあって。」
b:「これ、めっちゃヒットするでーって思ったけど、全然やったな。」
g:「まぁ、デュランデュランやワムかボン・ジョヴィかっていう時代だったからね。」
b:「めっちゃカッコええわっ!って思うてんけどなぁー。」

g:「ファントム・ロッカー&スリックの翌年にはブライアン・セッツァーも待望のソロ・アルバムをリリースしたんだけど。」
b:「これがな、まるでブライアン・アダムスかよっ!っていうくらいのポップなアメリカン・ロックでちょっとビックリしたわ。」
g:「ロカビリーっぽさが全然なくて、えっ、これ、ブライアン・セッツァー?って。」
Brian Setzer / The Knife Feels Like Justice(1986)

b:「レコード会社の思惑とか、いろいろあったんやろな。」
g:「せっかくのファースト・ソロだし、ストレイキャッツとは違う色を出してみよう、とか?」
b:「その後、ブライアン・セッツァー・オーケストラとかでぶりぶりのロカビリーに回帰したんをみると、本人にとっては黒歴史っぽいけどな。」
g:「でも、今聴くとけっこうカッコいいんだよ。」
b:「まぁな。何曲かは50'sっぽいのんとかロカビリーっぽいのも演ってるしな。」

g:「結局、ファントム・ロッカー&スリックもブライアン・セッツァーのソロも長続きせず、86年にはストレイキャッツを再結成。」
b:「あれ何年のリリースやったかな、50年代ロックンロールのカヴァーばっかり演ったアルバムがあって、めっちゃ好きやったわ。」
g:「『Original Cool』、リリースは93年ですね。」
b:「ブライアンは並行してブライアン・セッツァー・オーケストラでも活動、あれはルイ・ジョーダンとかのジャンプブルースみたいなのを演りたかったんやろうけど。」
g:「ビッグバンドで演るロカビリー、っていう感じがカッコよかったよね。」
b:「このあたりの90年代の作品を聴いていると、気負わずに、自分が大好きな音楽を心ゆくままに楽しんでいるように聞こえるんやけど。」
g:「それに比べると、このファントム・ロッカー&スリックもブライアン・セッツァーのソロも、気負いまくってるよねぇ。」
b:「気負いまくってるな。背伸びしてるし、無理もしてる。」
g:「ブライアン・セッツァーは1959年の生まれだから、ストレイキャッツでデビューしたのが21才くらいか。このソロが27才、ブライアン・セッツァー・オーケストラは94年で35才の頃か。」
b:「27才くらいっていうのは、気負いまくるもんやろうな。まだこんなもんやない、もっと別のステージへ行ける、って。」
g:「気負いまくって、惨敗して、改めて自分が一番好きで一番やってて楽しいことに気づくのが30代半ば。」
b:「30代半ばでそういう心境に落ち着けたらラッキーな方ちゃうか。」
g:「そうかもね。」
b:「でもな、この気負いまくって過去の自分を越えよう、新しいステージへ踏み込もうってあがいてる時期がな、なんていうかものすごく貴重っていうか、愛おしくすら感じるねん。」
g:「あー、わかる。」
b:「いやー、思わず、頑張れよって声かけたくなる、みたいな。」
g:「目線が完全にジジイ目線。。」
b:「いやいや、ワシも若い頃にな、、、」
g:「若者から一番嫌われるパターンだよ、それ。」
b:「まぁええやん。いやー、こういうシンプルでストレートでポップなロックンロールっていうのはやっぱりええなぁ。ビシッと来るっていうか。」
g:「こういう音楽を知るに連れ、どんどんルーツ志向になっていって、古いロックンロールやブルースに遡り始めた、っていうのはあるよね。」
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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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