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Judas Priest VS Whitesnake

golden(以下g):「80年代中期のムーヴメントといえば、ハードロックやヘヴィメタル。とてつもなく市場を席巻してたよね。」
blue(以下b):「ミュージック・マガジンやロッキンオンといった影響力の強いメディアはハードロック/ヘヴィメタルをまったくスルーしてたけど、ムーヴメントとしては大きかったと思うわ。」
g:「84年には専門誌“Burrn!”が創刊された。」
b:「俺は好きやないけど、認めざるをえんやろうな。」
g:「3つ上の兄が超メタル・マニアだったからね。兄への反発心とともに、兄がメタルなら僕はパンクっていうふうに分岐したんだけど。」
b:「そうやったな。兄のアイドルはランディ・ローズとマイケル・シェンカーやった。」
g:「イキってフライングVとか買ってきて。」
b:「フライングVって座って弾にきくいから不便やよな(笑)」
g:「ただ、そうはいっても兄のレコード・コレクションは、ハードな音に飢えてた時期にはそれなりに聴き漁ったんだけどね。兄がいないときにこっそり。」
b:「ジューダス・プリーストの“Freewheel Burnin'”とか最初に聴いたときはゾクゾクきてしょんべんちびるくらいテンション上がったけど。」
Judas Priest / Defenders Of The Faith(1984)

g:「あれはけっこう衝撃的だったよねぇ。ツーバスドコドコの疾走感と怒涛の展開。」
b:「その当時、あんなに速い曲は聴いたことなかったかもな。」
g:「確かにションベンちびりそうなくらいテンションあがる。」
b:「まぁ、この1曲だけやけどな。」
g:「いやいや、この『Defenders Of The Faith』はなかなかすごいアルバムだったよ。続く“Jawbreaker”の♪ジョーーー、ブレイ、カァァァァァーーーーッっていうものすごいハイトーンのシャウトとか、“Rock Hard Ride Free”の美しいツインリードのからみとか。」
b:「メタル好きの好きそうなパターンやな。」
g:「いや、好きそうなパターン云々よりも、そもそもそういうパターンを作ったバンドだからね。メタル・ゴッドと崇められるだけのことはあると思ってるんだけど。」
b:「伊藤政則の言う様式美ってゆーやつか。」
g:「美しさと激しさ、重厚感と高揚感、複雑な構成力とそれを実行できる確かな演奏力。諸々の思い込みをとっぱらって素直に聴いてみれば、すごくよくできた作品だと思うよ。」
b:「まぁそれはわかるねんけどな、ただ、アルバム一枚聴こうとすると飽きるっていうか疲れるねん。」
g:「あー。」
b:「そもそもルックスとかヴィジュアルからして共感できる感じとちちゃうねんなー。」
g:「兄はああいう鋲付き革ジャンとチェーン、スリムなブラックジーンズで田舎町をうろうろしてたけどね(笑)」
b:「この1983年〜85年くらいまでは、ほんまヘヴィメタル大隆盛で、いろんなバンドが出てきてた。」
g:「超絶技巧のイングウェイ・マルムスティーンを擁するアルカトラスが84年デビュー。一方でポップなボン・ジョヴィも84年。」
b:「ナイト・レンジャー、デフ・レパード、モトリー・クルー、ラット」
g:「ドッケン、ジェフリア、ヨーロッパ、W.A.S.P、アクセプト、メタリカ、、」
b:「70年代から演ってるオールドウェイヴでは、スコーピオンズにオジー・オズボーン、元レインボー〜ブラック・サバスのロニー・ジェームス・ディオ率いるディオやデヴィッド・カヴァーデイルのホワイトスネイクも黄金期やった。」
g:「あと、エアロスミスが復帰作をリリースしたり、ディープ・パープルが再結成したり。AC/DCやモーターヘッドといった重鎮もいたし。」

b:「俺、ホワイトスネイクはけっこう好きやってんな。アメリカナイズされる前の『Slide It In』はけっこうよう聴いてたわ。」
g:「これも84年のリリースだね。」
b:「なんていうかな、ブリティッシュ・ロックっぽい風格があるっていうか。」

Whitesnake / Slide It In(1984)

g:「ヘヴィメタルというよりは70年代ハードロックの発展型だよね。」
b:「そう、ジョン・ロードもデヴィッド・カヴァーデイルも元ディープ・パープルやけど、ディープ・パープルよりもフリーとかバッド・カンパニーに近いようなブルース・ロック。」

g:「カヴァーデイルはディープ・パープルに入ったときもソウルフルさが売りだったはずだし、実際カヴァーデイル時代のパープルはちょっとソウルフルだし。」
b:「このアルバムでもツェッペリンっぽい曲も演ってたしな。ギタリストは2人おるけど、ジューダスのツインリード協奏曲的なんとは全然ちゃう感じやん。」

g:「まぁ、渋いというか泥臭いというか。」
b:「あとはな、ドラムがカッコええねん。」
g:「コージー・パウエル、このときはホワイトスネイクにいたんだ。」
b:「音がデカいし、一音一音に存在感があるっていうかな、バンド全体を引っ張っていくような感じがカッコええなぁ。」

g:「確かにコージー・パウエルは手数は多いけど、ヘヴィメタルのドラムというよりはブルース・ロックぽい。元々ジェフ・ベック・グループでしょ。」

b:「タメが効いてるっていうかな。」

g:「そういう感じ。」

b:「そもそもヘヴィメタルの何がしんどいかっていうと、リズムがな、走ってばっかりでタメがないとこやと思うわ。ベースもギターとユニゾンで動いてるのがほとんどで低音がうねって来ぉへんねん。」

g:「ソウルやパンクはもっとベースがうねるからね。」

b:「いわゆるグルーヴっちゅーのんがな。」

g:「僕がヘヴィメタルで苦手なのは、保守回帰というか白人礼賛・男尊女卑的な臭いかなぁ。暴力にも肯定的な感じがするし。」
b:「前回話してた、50年代アメリカ黄金時代への回帰願望は黒人たちの人権運動やウーマン・リブが台頭する前の世界観へのノスタルジーやからな、必然的にそうなるんやろな。」
g:「あとは、黒魔術とか悪魔崇拝とかああいう価値観がね、音そのものの苦手感以上に苦手だった。」
b:「日本人には元々縁のない価値観やしな。まぁ、本人たちもファンも思想的に深入りしてたわけでもなくポーズやファッションやったんやろうけど。」
g:「鋲付き革ジャンとかチェーンじゃらじゃらとか、ほんま恥ずかしかった。」
b:「髪伸ばしてる奴に限ってまたむさくるしいというか、似合わん奴が多かってん。」
g:「ま、それは偏見かもしれないけど、似合わない人は徹底的に似合わないから目立つ(笑)」
b:「メタルに限らず、パンクでもロカビリーでもニューウェイヴでもヒップホップでもなんでもそーなんやけど、ファッションから入る奴って苦手なんよ。」
g:「わかるけど。」
b:「まぁ、そのことと、“Freewheel Burning”のしょんべんちびりそうなほどのゾクゾク感は別のもんやとは思うてるよ。」
g:「いろいろあるけどさ、ただ、80年代にヘヴィメタル/ハードロックが大隆盛していたっていうことは、無視しないでちゃんとロック史に留めておくべきだと思うんだよね。」
b:「今やマニアの間だけで流通している絶滅危惧種であるだけにな。」
g:「ヘヴィメタル/ハードロックだけじゃなく、ロックそのものが絶滅危惧種なんじゃない?」
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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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