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♪7月 アスファルトの上の夏

京都の夏は盆地型の気候のせいでかなり暑いと言われる。とりわけ一番暑いのがこの祇園祭の前後。今日も暑かった。34℃くらいまで上がったのだろうか。加えて高い湿度。
気分的には、京都より、街中に緑のまったくない大阪の方が暑いのではないかという気がするけれど、もっと気温が高い沖縄もロサンゼルスも風が通って爽やかだったし、カイロだって湿度が低くて40℃越してたってへっちゃらだった。経験上では、大阪・京都の夏は、世界中で一番暑いと断言できる。

学生時代の4年間をそんな京都の町中で過ごした。最初に住んだのは4畳半共同炊事場の下宿、それから6畳間に引っ越したものの、エアコンなんてもちろんなかった。今思えば、よくもそんな暑い町で、クーラーなしの部屋で4年間も過ごせたものだと思うのだけれど、そもそも夏の夜に下宿にいるということはほとんどなかったのだ、と思い出した。とりあえず学校かアルバイト先へ行けば涼むことができた。バイトが終わってからも友人の部屋へ転がり込むか、ひたすら誰かと外をうろつきまわるか。明け方になってようやく布団に倒れこんで、昼過ぎに寝汗ぐっしょりで目が覚める…そんな毎日だったのだ。   
そんなわけで、若き日の夏の思い出は、真夜中の路上にある。
満たされないエネルギーを燃やし尽くさなきゃ気が済まないとばかりに、ほっつき歩きまわっていた。
そんなアスファルトの上の夏に捧げる5枚。


青春の叫び(紙ジャケット仕様)    80のバラッド     THE ROOSTERS

The Allnighter     East of the Sun: The West Coast Sessions     
  

The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle/Bruce Springsteen
地を這いまわるような若き日の、名もなく貧しいスプリングスティーン。アスファルトの上の青春の群像。

,80のバラッド/泉谷しげる
満たされない苛立ちをたくさん抱え込まざるを得ない都市の暮らしを、泉谷しげるは、しなやかで確かな言葉と音で切り取ってみせる。

THE ROOSTERS/ザ・ルースターズ
荒涼とした工業地帯、林立する煙突と金属パイプを剥き出しにした異様な建築物の間を走る周回道路。
週末の夜、満たされない狼たちがサーキット・シティに出没する。

The Allnighter/Glenn Frey
遠く響く雷鳴が少しづつ近づいてきてイントロが始まるThe Allnighterから始まる、出来損ないの天使たちの路上のヒートアップとつかのまの甘い休息の風景。元イーグルス?がピンと来ないくらいソウルフル。

East of the Sun: The West Coast Sessions/Stan Getz
リズムの上を自由自在に駆け巡るゲッツのサックス。
それはまるで、右に左に車体を傾けながらジグザグと車の列を縫うようにして走り去ってゆくバイクのように、縦横無尽で、ほんの少しばかり命知らずだと思う。


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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