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Robert Palmer VS Steve Winwood

golden(以下g):「80年代はベテランたちが頑張った時代だったけど、80年代的サウンドの取り込み方については、成功と失敗がはっきりしてた感じがあるよね。」
blue(以下b):「ZZトップと並ぶ成功例のひとつが、ロバート・パーマーやな。」
g:「ロバート・パーマーってどういう人なのか、パワーステーションの“Get It On”がヒットするまで全然知らなくて。」
b:「デュランデュランのアンディ・テイラーとロジャー・テイラーが別プロジェクトとして始めたバンドにヴォーカリストとして白羽の矢が立てられたわけやな。」
g:「プロデューサーがシックのベーシストのバーナード・エドワード、ドラムもシックのトニー・トンプソン。」

Robert Palmer / Riptide(1985)

b:「このアルバム『Riptide』もそのシックのリズム隊と演ってて。」
g:「ドラムのゲートリヴァーブのかけ方とか、ブリブリと太いベースの音とかがいかにも80年代っぽいよね。」

b:「ファンキーかつヘヴィでかつダンディ。」
g:「抑制を効かせた渋めのヴォーカル・スタイルがなんともかっこいいよね。」
b:「この人が目指していたのって、最新サウンドをまとったフランク・シナトラ、っていうイメージやったんやろうな。」
g:「1曲目からいきなりストリングスが入った歌い上げ系の曲が流れてきて、あ、このアルバム失敗かもって思った記憶がある(笑)」
b:「その次にドッスンバッタンのどデカいドラムの音が聴こえてきてほっとしたな。」

g:「そもそもがシャウト系のハードなロックではなく、ニューオリンズやレゲエの黒っぽいリズムを白人的にどう取り込むかということを演ってた人だから、シックのリズム隊との融合というのはずっぱまりだったね。」
b:「ロバート・パーマーと並んでベテランアーティストで、80年代的リズムを取り入れてヒットした人といえば、スティーヴ・ウィンウッドやな。」

Steve Winwood / Back In The High Life(1986)
 

g:「60年代のスペンサー・デイヴィス・グループから始まって、トラフィックやクラプトンとのブラインド・フェイスなど長いキャリアの人で。」
b:「なんかな、俺、トラフィックってよーわからんねんな。ブルースロックでもなくサイケデリックでもなく、ガツーンとくる曲があるわけでもなく。」
g:「うん、いまいち凄さを感じにくいよね。」
b:「その点、この“Higher Love”は一発で気に入った。」

g:「やっぱりリズムがね、イキイキしてるよね。」
b:「分厚いパーカッションやコーラスがいいグルーヴを作ってるな。」
g:「このヒット曲が強烈過ぎて、アルバム全体でいうと実はあまり印象が強くなかったりするんだけど。」
b:「レゲエっぽいリズムの“Finer Things”とかミディアムバラードの“Back In The High Life Again”なんかは、さすがベテランやなぁと思わせるだけの大きなグルーヴを感じるけどな。」
g:「でもやっぱりちょっと存在感は薄くない?」
b:「まぁそのサラッとしたテイストも持ち味ってことで、って、俺がフォローする側に回るって珍しいな(笑)」

g:「二人とも、共通点としては、ソウルフルで大人のゆとりを感じさせる懐の深いヴォーカル・スタイル。それと新しいリズムや新しいサウンドを貪欲に取り入れたこと。」
b:「この手の80年代リズムって、中途半端に取り入れたらカッコ悪くなんねんな。それを振り切って大胆にど真ん中で演ってるんがええな。」
g:「今回、掘り下げもまとめも薄くない?」
b:「いや、新しいリズムでいうと、このあとリリースされるピーター・ガブリエルとかポール・サイモンに比べるとちょっと弱いし、まぁまぁ好きではあったけど夢中になったというほどでもなかったし。」
g:「他にも好きなのがいっぱいあったからね。」

b:「1986年やろ。70年代からの生き残りアーティストで言えば、ジャクソン・ブラウンの『Lives In The Balance』とかボブ・シーガーの『Like A Rock』の方がよう聴いてたんちゃうかな。」

g:「二人とも地味ながら実直な音楽を演ってたよね。」

b:「ハードな奴やとジョン・ライドンのソロプロジェクト化したP.I.Lの『Album』とか、ミック・ジョーンズのビッグ・オーディオ・ダイナマイトとか。」

g:「あれもベテランたちの悪あがき、あ、いや、果敢なチャレンジかもね。」
b:「ベテランアーティストたちも悪戦苦闘しながら新しい時代の音になんとかのっていこうとしていた時代やったってことやな。そのチャレンジ・スピリットは評価されるべきやで。」
g:「70年代の音ってさ、メロディー重視だったり、ハードなロックだとギターのリフ重視だったりしてたんじゃないかと思うけど、80年代はすっかりリズムが音の中心になったんだよね。80年代に対応できた人とそうではなかった人の差ってそのあたりかも、って。」
b:「そういう点では、最初からリズムの探求者だったロバート・パーマーや、突出した魅力はなくてもトータルでクオリティーの高い音楽を作っていたスティーヴ・ウィンウッドがこの時期にブレイクしたのはもっともやったんかもな。」
g:「なんとかまとめたね(笑)」




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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