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David Bowie VS Bryan Ferry

golden(以下g):「80年代は新しいアーティストたちもたくさん出てきてた一方で、70年代から活動しているベテランたちもすごく頑張ってた時代でした。」

blue(以下b):「ロバート・パーマーやスティーヴ・ウィンウッドもブレイクしたし、フィル・コリンズやエルトン・ジョンも70年代組やな。」

g:「スプリングスティーンやジャクソン・ブラウンもそう。」

b:「ポール・マッカートニーやジョージ・ハリソンも現役バリバリやったし。

g:「新しいテクノロジーに刺激を受けたのか、ベテランたちもこぞって80年代的なサウンドを取り入れていた。」

b:「80年代サウンドが似合う似合わないに関わらず、そうせざるを得ないような感じやったんやろな。

g:「で、今日のお題は、デヴィッド・ボウイとブライアン・フェリー、と。」

David Bowie / Tonight(1984)

Bryan Ferry / Boys and Girls(1985)
 

b:「ん?この二人の80年代の代表作って、ボウイなら『Let's Dance』、フェリーならロキシー・ミュージックの『Avalon』なのでは?」
g:「いや、そうなんだけどね、その2枚ともリアルタイムではちゃんと聴いてなかったから。」
b:「あー、そーゆーことか。確かに聴いてなかった。名前とかは知ってはいたけど、なんかゲイっぽいよなーみたいな印象があって。」

g:「そんな身も蓋もないストレートな言い方は今の時代アウトですよ。」

b:「せやけど実際そーゆー印象やったんやもん。82〜83年、高1男子の無知と偏見なんかそんなもんやで。」

g:「まぁ確かに、妖艶というか淫靡というかスケベぽかった。」

b:「田舎の童貞高校生とはまったく縁のない世界やろ。」

g:「デヴィッド・ボウイやブライアン・フェリーってそもそも聴く側の美的センスが問われそうだよね。」
b:「耽美的とでもいうか、このヌメリのある淫靡な感じは、ブライアン・アダムスやアラームとは対極やからな。」
g:「あれくらいの年頃は、熱く拳を振り上げるのがしっくり来るからね。」

b:「とりあえず、バキューン、ギャギャギャーン、イェー!が気持ちいい年頃には、ボウイやフェリーは大人過ぎたな。」
g:「で、この2枚。『Let's Dance』と『Avalon』には到底敵わなくて日陰っぽい扱いをされてるけど、けっこう素晴らしい作品だよな、って、最近思って。」
b:「最近かよっ!」
g:「うん、まじでこの十年くらいかな。」
b:「当時は熱心に聴いてへんかったけど、後々に良さがわかるっていうのはあるけどな。」

 

g:「まずはボウイの『Tonight』。当時、メディアでは酷評されていたという印象があります。」
b:「そうそう。あ、駄作なんや、じゃあ聴かんでええわ、ってスルーしたもん。」
g:「“Blue Jean”とかはヒットしてたけどね。」
b:「そのヒットが、いわゆる売れ線狙いとか『Let's Dance』の二番煎じやとか言われてたな。」
g:「ボウイの歩んできた歴史を辿っていくとね、常に世間のアウトサイドでダークな部分を可視化しながら、しかも作品ごとにコンセプトを持って変化し続けてきたアーティストだからね。ボウイでさえも売れ線に走るのか、『Let's Dance』が売れて日和ったのか、って当時のボウイのファンは思ったんだろうね。」
b:「ボウイからしてみたら、この路線も変化し続ける過程のひとつ、というつもりやったんやろうけど。」
g:「良くも悪くも、肩の力が抜けた感じはするけど、その肩の力の抜けた感じがいいなぁって思ってて。

b:「力作や問題作を世に問うというのではなく、自然に心地よいものを演ろうとしたような。」

g:「“Don't Look Down”や“Tonight”はゆるめのレゲエ。“Tumble and Twirl”なんかはけっこうソウルっぽいし、“I Keep Forgettin'”はチャック・ジャクソンの62年のヒットをモータウン風に。」

b:「そのへんはけっこう好きやねんけどな、“Neibourfood Threat”とかロックっぽい曲がな、ちょっと無理矢理感っていうか取って付けたような感じがするねん。」
g:「カッコいい曲なんだけどね、ちょっとゴージャスな80年代っぽい音質が浮いてるっていうか。」

b:「ビーチボーイズのカヴァー“God Only Knows”なんてずいぶんトゥーマッチなアレンジになってて、最初はカヴァーって気づかんかったわ。」
g:「サブカル的なカリスマから、表社会のスーパースターを目指したみたいな。」
b:「タモリなんかはサブカル界のカリスマから表社会のスーパースターになったし、ビートたけしもアブナイ側の人だったから、充分あり得る話ではある。」

g:「本人がそういうことを狙ったのか、周りがそう仕立て上げようとしたことに乗っかったのか。」
b:「そういうものが結果的にキャリアの中で問題作とされてしまうのが、ボウイらしいところなんだけど。」
g:「でも、そういう諸々を取っ払って素直に聴けば、やっぱりクオリティの高いポップミュージックだと思うんだよね。」

b:「“Loving The Alien”とかイギー・ポップと共演の“Dancing With The Big Boys”とかな、ふつーにカッコええと思うわ。」


g:「ブライアン・フェリーの方も『Avalon』の二番煎じの印象があるんだけど。」
b:「うーん、フェリーの場合は二番煎じというよりは、長年演ってきて辿り着いた世界観を更に継承・発展させようとしたっていう印象?」
g:「いかにもブライアン・フェリー、っていう型を完成させたっていう。」
b:「ロキシー・ミュージックのことを語りきれるほど聴き込んでへんからよーわからんねんけどな、印象としてはそんな感じちゃう?」

g:「ソウルフルなリズムのうねり+うねうねとした歌にゴージャスなコーラス、っていうのが王道パターン。」
b:「正直ゆーてブライアン・フェリーの歌い方はあんまり好みではないねんけど。」
g:「水分量が高いというか、ヌメリがあってジェル状みたいな声質がね。」
b:「でもな、リズムがめちゃくちゃかっこええねん。ドタバタせずに余裕があって空間の広いドラムと、その間でモゾモゾとうねるベース、パーカッションも効いてるし。」
g:「ギターもかっこいいよ。ナイル・ロジャースやデイヴ・ギルモア、マーク・ノップラーらが参加してるけど、いずれもツボを心得た演奏っていうか。」
b:「弾きまくるんじゃなくて、ぎゅっと凝縮されたプレイやな。」

g:「ハードロック系とは対象的な(笑)」

b:「どの曲も基本は同じパターン。」
g:「『Avalon』もそうなんだけど、この心地よいリズムに身を委ねる快感みたいのが、聴いてるうちにだんだんクセになってくる。」
b:「そのリズムの反復が、どんどん心地よさを増幅させる仕掛けなんやろな。」
g:「気がついたらブライアン・フェリーの妖しい指使いに襲われてた、みたいな気分になるときってない?」
b:「そんな性癖はないねんけど。」

g:「まぁそれは冗談としても、アヤシイ世界、イケナイ世界にずるずると引き込まれていくみたいな。」
b:「まぁ、それはわかる。」
g:「デヴィッド・ボウイもブライアン・フェリーも、見た目イケメンでありながらどこか脆さというか危うさがあるよね。」
b:「ちゃんとしようとすればするほど、こぼれでるどうしようもなさ、みたいな。」
g:「大人になればそういう大人だからこそのどうしようもなさってわかるんだけど、子供の頃にはよくわからなかったなぁ。」
b:「ほんまはレコードに18禁のマークとかつけとくべきやで(笑)、ガキにはわからん世界や。」

g:「もう一回18才をやり直せるなら、こういう音楽を聴いてる大人っぽいティーンエイジャーをやってみたいなぁ、とか思ったりするんだけど。」

b:「いやぁ、十代をもう一回はええわ。いろいろめんどくさい。大人の方がラクやで。」





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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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