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Glenn Frey VS Don Henley

golden(以下g):「年をとったら年月を感じるのが早くなるっていうけど。」

blue(以下b):「そやな。1年なんてあっという間に過ぎるし、10年くらい前のヒット曲くらいだと感覚的には“最近”やもんな。」
g:「あれ、どうしてなんだろうね。若い頃の一年とは濃密さが全然違う。」
b:「若い頃は初めての経験が多いからちゃう?」
g:「この80年代シリーズ、1983〜4年くらいはもうめちゃくちゃ書きたいこといっぱいあって、あの頃はものすごく濃密だったんだなぁって思ったんだよ。」
b:「音楽シーンがとかではなくて、ちょうどその頃の自分がなんでもかんでも刺激的を感じる年頃で、それがたまたま84年あたりやった、ってことやろ。」
g:「僕らが音楽をちゃんと聴き始めたのって79〜80年くらいじゃない?中学生になってすぐ。」
b:「僕ら、って、そもそも同一人物やからな(笑)」
g:「その79〜80年って、イーグルスはまだ解散してなかったんだよね。」
b:「ツェッペリンもやな。」
g:「海外のアーティストを好んで聴くようになったのが高校生になった82年だったけど、そのときすでにイーグルスって歴史上のバンドっていうイメージじゃなかった?」
b:「今日のお題の二人、ドン・ヘンリーとグレン・フライのソロが84年に相次いでリリースされたときには“あのイーグルスの中心人物が満を持してソロ・アルバムをリリースするのかっ!”って思った。
g:「イーグルスの解散からたった4年だったのに、っていう感じがするんだよね、今思うと。」
b:「80年から84年までの4年と2020年から2024年までの4年が同じ長さとは到底思えんな。」
g:「不思議でしょ?」
b:「リアルタイムを知ってるかどうかっていうのはあるやろうけどな。例えば、タイガースの掛布選手が一軍で活躍しだしたのが1974年、俺小学校3年くらいだったんだけど、それは鮮烈に覚えてんねん。」
g:「また古い話だねー。」
b:「今の40代くらいだと掛布は伝説の選手やろうけど、俺的には若手の頃から追ってきたリアルタイマーなんやな。ところが村山実になるともう超伝説的人物やねん。」
g:「ふむ。」
b:「村山実って1972年まで現役やってるから、掛布と村山って今で言えば中野拓夢と鳥谷敬くらいの距離感なんやけど、自分的にはものすごく離れてる感じがする、っていう。」
g:「要は、自分が認知する以前は紀元前的な感覚になる、っていうことだね。」
b:「田中角栄と佐藤栄作もそんな感じやな。田中角栄はリアルタイム、佐藤栄作は歴史上。西城秀樹はリアルタイムやけど錦野旦は歴史上。キャンディーズはリアルタイムで木之内みどりは歴史上。それから・・・」
g:「いや、それはわかったから、、、音楽の話をしようか。」
b:「お、おう、そうやったな。」

Glenn Frey / The Allnighter(1984)

g:「グレン・フライのシングル“Sexy Girl”が夏頃ヒットして。」
b:「ギンギンのロックではないけど、クールでええ曲でやなって思うたわ。」
g:「兄がなぜかイーグルスの『The Long Run』を持ってて、グレン・フライは一応認知はしてたんだよね。」
b:「“New Kid In Town”とか演ってた、イーグルスの軽い方の人っていう認識やったな。」
g:「今で言う“じゃない方”(笑)」
b:「“Hotel California”とか“Desperado“とか、名曲はだいたいドン・ヘンリーのヴォーカル曲の印象やもんな。」
g:「確かに。」
b:「たぶんベスト・ヒットU.S.Aで観たんやろうけど、“Hotel California”のライヴ動画、ドン・ヘンリーがドラム叩きながら歌ってて、ヒゲモジャで存在感があって。グレン・フライの方は、どれが誰やら全然わからんかった(笑)」

g:「そういうグレン・フライらしい、ソフトな軽さがこのソロでも印象的だよね。」
b:「“I Got Love”とか“Lover's Moon”とかA.O.Rっぽいのが特にグレン・フライっぽいイメージどおりでけっこう好きやったわ。」
g:「初期のイーグルスのカントリーっぽいヒット曲はグレン・フライのヴォーカル曲だったね、思い起こしてみると。」
b:「“Take It Easy”に“Peaceful Easy Feeling”。」
g:「カントリーっぽいイメージがあるよね。」
b:「“Tequila Sunrise”もグレン・フライか。」
g:「ところがこの人、A.O.Rだけじゃなくて、ノリノリのロックンロールがけっこう好きみたいで、タイトル曲の“The Allnighter”もわりと50'sっぽいし、“Better In The U.S.A”なんて軽いノリのロックンロールも演ってたり。」
b:「サントラかなんかでも“The Heat Is On”とか派手なん演ってたしな。」

b:「そもそもグレンはエルヴィスとか大好きやったんやろな。粋なロックンロールと甘いバラード。若く勢いがあった頃のアメリカン・ドリームへの憧れ、みたいな。」
g:「グレン・フライとは対称的に、ドン・ヘンリーはビターチョコレートみたいに苦くて重い雰囲気を漂わせてるよね。」
Don Henley / Building The Perfect Beast(1984)
b:「大ヒットした“The Boys Of Summer”なんて、イーグルスへの郷愁が漂いまくってる。」
g:「通りには誰もいなくなった/浜辺にも誰の姿もない/吹きぬける風がもう夏は過ぎてしまったことを告げていく、みたいな歌だよね。」
b:「ただ、郷愁に浸るだけじゃなくて、音楽的にはミッド80'sっぽい音を追求してたりもする。」
g:「“All She Want To Do Is Dance”とか、ファンキーな要素もあるソウルサウンドだったり。」
b:「“Man With A Mission”みたいなロックンロールや“You Can't Make Love”みたいにグレン・フライが演りそうなミディアムのポップもあったりけっこう幅広い。」
g:「ドン・ヘンリーのイメージにしっくりくるのは“You're Not Drinking Enough”みたいな渋めのバラードだけどね。」

g:「長いこと同じ釜の飯を食った同士でもあり、バンドのイニシアチブを巡るライバルだった二人には、本人たちしかわからないような愛憎入り交じるような感情ってあったんだろうね。」
b:「お互いが影響を与え合ったり受け合ったり。顔も見たくないと思う時期もあれば、コイツこそ最高のパートナーだと思うようなこともあったやろな。」
g:「おまえがそっちへ行くなら俺はこっち、みたいな。」
b:「少年の頃は似たようなタイプだった二人が、そうやってそれぞれの路線を確立していったりするもんやねんな。」
g:「この二枚のアルバムを聴く限りでは、二人ともイーグルスという偉大な過去からどうやって遠ざかろうかとしている感じがするよね。」
b:「グレン・フライはけっこう未練なく軽々と、イーグルス時代にはできなかった本来の自分らしい音を演ろうとしていて、ドン・ヘンリーの方は逆に、未練たっぷりながらも無理してイーグルスとは違う方向を見出そうとしてる感じがするねんけど。」
g:「グレン・フライの方が、ちょっと立場逆転してスッキリしてる感じ。」
b:「初期はグレンがリードしてたのにいつの間にかドンの存在感が増して、気がついたら“じゃない方”扱いにされてた鬱憤がありそうやな。」
g:「ドン・ヘンリーは、昔のライバルを無視してるフリしてめっちゃ意識してる(笑)」
b:「イーグルスをちゃんと聴くより先に二人のソロを聴いてるから、イーグルス時代から追いかけてきた人が聴くのとはだいぶ印象が違うんやろな。」
g:「初期からイーグルス聴いてる人からしたら、イーグルスそのものも初期と末期では違うバンドみたいだろうし、聴いた時代によって印象がずいぶん変わるかも。」
b:「改めて聴くと二人とも、アメリカンのルーツ・ミュージックに根ざした音を吸収しながら、自分流に消化して表現していたアーティストやったんやな。」
g:「若い頃にはなんとなくいいなと思ってただっけだったけど、聴き直してみると感慨深いね。」
b:「わりと普通にまとめたな(笑)」
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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