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♪べっとりとまとわりつく生ぬるく湿った空気

べっとりと湿った生ぬる~い空気がまとわりつく。
窓のない部屋みたいに空気が澱んでいる。
換気ができない、息苦しい、少しづつ体に熱がこもってくる。
じっとしているだけでも汗がじとっと噴き出してくる。
気温はめちゃくちゃ高いわけでもないのに、外気温と体温、外気の湿度と体の中の水分の量がどんどん近づいてきて、体の中身が外気に混じって溢れてしまいそうな感じ。
“溢れる”というよりも“浸み出す”の方が近いのか。
細胞の浸透圧の比率が逆転して中身がどんどん外側へ出て行ってしまうような感覚だ。

脳みそは「暑い。体を冷却しろ。汗を出せ。水を飲め。」と盛んに指示を送ってきて、僕はそれを止めることができなくて買ってきたペットボトルのお茶をがぶ飲みする。
腹を下す。
のぼせているのは実は頭だけなのだ。
温度計より湿度計があればいいのに。


ゆうべは少し飲みに行って、めずらしく終電を逃してしまった。
もうひとつあとの電車でひとつ手前の駅までたどりついたあと、歩いた。
タクシーに乗るのはなんだか違う気がしたのだ。
電車なら5分で着く距離を一時間近くかけて歩いた。
べっとりと湿った生ぬる~い空気がまとわりつく中を、生ぬるいお風呂の中を泳ぐみたいにして歩いた。
ちょっとドアーズの“Moonlight Drive”みたいな不思議な浮遊感。
それはそれで、なんだか悪くない気分だった。

そして、今日は朝から“Riders on the Storm”のようにがさがさとした雨。
止めばまた蒸し暑くなるだろう。


ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ドアーズ~40周年記念ミックス~
The Very Best of The Doors

The Doors


べっとりと湿った生ぬる~い空気には、べっとりと湿った生ぬる~い音楽。
ジム・モリソンの上気したヴォーカルと、レイ・マンザレクのちょっと気の触れたオルガンが、のぼせた頭をもっとのぼせさせる。
窓のない部屋に閉じ込められたみたいに、じっとりと汗が噴き出してくる。
外界と内側を隔てるものが少しずつ薄くなって、からだの中身が外側へ浸み出してしまう。
意識が朦朧としてきたら、少しだけ冷たい水を飲もう。





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コメント

[C55] Re:

リュウさん、こんばんは。
やっぱり終電逃したら歩くに限りますよね(笑)。汗がぬめぬめまとわりついてるうちはしんどいんだけど、そのうちラクになる。一時間歩くと結構爽快でした(笑)。健康のためウォーキングでもしようかとも思ったのですが、多分こんなふうに必要に迫られない限りできないんです。。。
蒸し暑い真夜中、ボブ・マーレィを口ずさむ酔っぱらい・・・いいっすね!

[C54] Re:俺も昨夜は

LA MOSCAさん、こんばんは。
7月3日、ジム・モリスンの命日だったんですか。実は把握せずに記事書いていました、たまたまなんです。
ドアーズをどっぷり熱心に聴いていたのは19くらいの頃。そのときに全アルバム聴いたのですが大人になってからはほとんど聴いてなくて、CDも1st以外持ってなかったのだけど、たまたまベスト盤が安くて、何となくほしくなって、はまってしまったのです。意外と黒くて、けっこうブルージィだったんだな、というのが昔聴いてた頃とは少し違う印象。こんなにもドロドロでブルージィで、なおかつポップでリリカルってのは…改めてすごいバンドだったんだと思います。

[C53]

同じく飲み過ぎて終電乗り逃がし、歩いてました、昨夜(笑)

ウェット・ベタつき・息苦しい中歩き始めましたが、
途中から何故か、体が軽くなりました。

お酒も抜け、気分は中々でした!

ただ、Doorsは思いつかなかったです(笑)

ひたすらボブ・マーレィ口ずさんでました・・。

[C52] 俺も昨夜は

ドアーズ聴いてました。
7月3日だったしね。
トカゲつうくらいで、確かに、べとーっとしてますよね。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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