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The Pretenders VS Joan Jett & The Blackhearts

golden(以下g):「プリテンダーズこそは、自分で発見した初めてのロック・バンドだったって話を。」
blue(以下b):「自分で発見?」
g:「このアルバムのリリースが確か高校2年の冬だったんだけど、その頃ってまだ、アルバムなんて小遣いでそうそう買えるわけじゃないし、レンタル屋はできたけどカセットテープだって高かったしなんでもかんでも片っ端から聴けるわけでもなかった。やっぱり友達から借りるのが手っ取り早かったんだけど、いまいちコレって夢中になるのがなかった。」
b:「で、MTVでプリテンダーズ観て、かっこええーってなって、アルバム買ったって話やったっけ?」
g:「いや、レンタル店で借りた。」
b:「借りたんかーい(笑)」
g:「いやー、これすごくいいなぁーってなって毎日のように聴きまくって、そのあと遡ってセカンドとファーストも借りたんですよ。」
b:「おー。」
g:「そうやって過去のアルバムも含めて、このバンドをもっと聴こう、ってなったのは海外のアーティストではプリテンダーズが最初だったと思う。」
b:「自分で発見した、っていうのは、誰かからすすめられたりじゃなく、ってことか。」
g:「周りの奴らが全然知らないかっこいいバンドを俺は発見したぜーっ、っていう。」
b:「俺だけが知ってる優越感、みたいな。」
g:「そのきっかけになったのがこの『Learning To Crawl』だった、と。」

The Pretenders / Learning To Crawl (1983)

b:「何にそんなに惹かれたんかね?」
g:「いやー、とりあえずジャケットがかっこいい(笑)」
b:「そこかよっ!」
g:「音もソリッドで無駄がないっていうか、シンプルでストレート。」
b:「ギラギラと飾った音じゃないもんな、芯があるっていうか。」
g:「ストイックな音でしょ。メッセージも真っ直ぐで。誰にどう言われようとアタシはアタシ、的な孤高のかっこよさを感じたんだと思う。」
b:「ガツーンと来るものを探してた時期やったから、おー、これやっ!ってなったわけやな。」

g:「出だしのドラムから、ドスの効いたクリッシー・ハインドのヴォーカル、荒っぽいギターソロ、ブレイクの“1,2,3,4”のカウント、硬質でシャープでタイトな音の質感から、ハイテンションの疾走感から、もう完璧にかっこいいロックンロール。」
b:「ラストのクリッシーのハープのソロがまたかっこええねん。」
g:「最初のヒットの“Kids”や“Stop Your Sobbin'”、このアルバムの“Show Me”とかシングルヒットはフォークロックっぽいのが多いけど、プリテンダーズのかっこよさはやっぱりタイトなロックンロールだね。」
b:「“Time The Avenger”とか“Watching The Clothes”とかな。」

g:「ハードなロックンロールだけじゃなくて、“My City Was Gone”とか“I Hurt You”とか、ずっしり重たい手応えの曲もかっこよかった。」
b:「うん、なんていうか、キリッとかっこいいクリッシーの裏側にある苦悩っていうか。」
g:「ただのツッパリ姉ちゃんじゃない深みを感じたよね。」

g:「この時代に女性がロックするっていうのは、まだまだ一筋縄ではなかったんだろうね。」
b:「ロック=男っぽさ、っていう感じはあったな。」
g:「女性ロッカーといえば、ブロンディーのデボラ・ハリー、パット・ベネターあたり?多かれ少かれ女らしさやセクシーさをセールスポイントにしてた感じがほとんどだったもんね。」
b:「そういう中で、いわゆる女だてらにワイルドでストレートなロックンロールを演ってたんがジョーン・ジェットやな。」
Joan Jett & The Blackhearts / Album (1983)
g:「このアルバムもジャケットがまずかっこいいよね。」
b:「大ヒットの『I Love Rock'n'Roll』の次のアルバムやけどな。シングルヒットがなかったせいかそんなに売れんかったみたみたいやけど。」

g:「スカスカでシンプルで、当時ですら少し古臭いと感じられるようなロックンロールだけどね。」
b:「『I Love Rock'n'Roll』よりも、もっとハードでギターがよく鳴ってて、けっこう好きやったわ。」
g:「シャウトも荒々しくて、なんていうか、肩肘張りまくってるよね。」

g:「理屈もへったくれもありゃしないわ、あたしゃこーゆーのが好きなのよ、なんか文句あんのッ!って感じ。」
b:「あの時代に女性が女っぽさを売りにせずに業界で渡っていくためには、啖呵切るくらいのファイティングポーズが必要やったんやろうな。」
g:「クリッシー・ハインドもジョーン・ジェットも、質実剛健というか、チャラチャラしてないよね。」
b:「そうやねん。チャラチャラしてへん。ビシッと筋が通ってる。チャラチャラしたのとかナヨナヨしたのとか、どーも昔から苦手やねん。」
g:「そうだったね。」
b:「かわいい顔でニコニコ笑ってるだけの女よりも、こういう生き方の女性の方が人としてのかっこよさに溢れてるわな。」
g:「お姉様好みだったんだね、昔から。」
b:「いや、お姉様好みっていうか、そういうんやのうて、なんちゅーかなぁ、女だけやのうて男もやけど、性的魅力よりも人間的魅力がまずあるべきやろ、っちゅー話やで。」
g:「たぶん、かわいい女の子に対してなんらかのトラウマがあったに違いない(笑)」
b:「いや、それは敢えて否定はせんけどな。」
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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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