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Rose Is Still A Rose/Aretha Franklin

1960年代〜90年代まで、おおよそ40年のソウル/R&Bの変遷を、まぁ年1枚ペースくらいでチョイスできればいいかな、と始めたこのシリーズもすでに59記事。

ざっと振り返ってみて、おぉ、大御所アレサ・フランクリンを選んでないぜ、と、ちょっと慌てて、90年代のラストにこのアルバムを選ぶことにしました。

1998年リリース、『Rose Is Still A Rose』。

1曲目からローリン・ヒルがコラボしたタイトル曲“Rose Is Still A Rose”。これがめちゃくちゃかっこいい。

ローリンのブレイクに大御所も乗っかって、あたしに演らせりゃこんなもんよ的貫禄のあるソウルを聴かせてくれる。


正直この1曲だけでじゅうぶん満足なくらいなんだけど、ショーン“パフィ”コムズがプロデュースしたディープなスロウ“Never Leave You Again”、ダリル・シモンズprod.の“In Case You Forget”、ジャーメイン・デュプリーprod.の“Here We Go Again”と佳曲が続々と続いていくわけで、これは数あるアレサのアルバムの中でもけっこうレベルの高い作品だと思うのです。

旬のプロデューサーを起用した、時代の流れにちゃんとリンクした貫禄の一枚。或いはアレサを具にプロデューサーたちが腕試しをしたとも言えるかも、ですが。


アレサ・フランクリンは有名な説教師だったC.L・フランクリンの娘としてメンフィスで生まれデトロイトで育ち、少女の頃から天才ぶりを発揮して1961年に10代でレコードデビューしている。

その後の1960年代からのアレサの名盤をずっと追いかけていくと、実はどの時代の作品も、時代とリンクしたスタイルで演じ続けていることがわかる。60年代のマッスルショールズ・サウンドから、70年代にはロックの名曲をすっかりソウルに変えてしなうようなニューソウル的な表現を深め、70年代後半になるとクロスオーヴァー要素を強めていく。80年代にはロックのアーティストとも積極的にコラボして、クラレンス・クレモンズをフューチャーした“Freeway Of Love”やユーリズミックスとの“Sisters Are Doin' It For Themselves”、キースとロニーを招いた“Jumpin' Jack Flush”やジョージ・マイケルとのデュエットなどでヒットを連発した。その間には、自らのルーツをたぐるようなゴスペルのアルバムもいくつかリリースもしている。

アレサの表現の芯にあるのは、ゴスペルをルーツとしたパワフルな歌の力だ。

時代に合わせて旬のプロデューサーを起用して、時代に合わせて音楽のスタイルを変化させてきたけれど、どの時代にも、アレサの歌唱そのものは、アレサならではの圧倒的なスタイルで、実は歌そのものはデビュー当初からまったく変わっていないのですね。

声量があって深みがあって体温の高いパワフルな声は、普通のラヴソングでも人類愛を歌っているように響かせる。


黒人たちの歴史を背負って響く声。

コロンブスのアメリカ発見から500年の苦悩と日々の暮らしの喜びや悲しみ、打ちのめされそうな思いとそれを吹き飛ばすパワフルさを背負って、アレサの歌が響いていく。







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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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