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Join The Band/Take6

1990年代半ば、ラップやヒップホップが時代を席巻した揺り戻しなのか、コーラス・グループの再評価的な動きがあり、JODECIやBoyz Ⅱ Menなどのグループがヒットを連発した。
そういうコーラス・グループの中で、当時気に入ってよく聴いていたのは、ゴスペル・コーラス・グループのTAKE6だった。



とにかく6人のハーモニーが気持ちいい。
『Join The Band』というアルバム・タイトルが示すように、ドラムやベースも入ってサウンドにもメリハリがある。正直ア・カペラなんかをアルバム通じて演られるとさすがに退屈しちゃうのでこのメリハリは大歓迎。



彼らはブラック・ミュージックの伝統的なハーモニーを重視しアフリカ系アメリカンとしてのルーツにとてもフラットに向き合っているという印象がある。黒人として生まれたことに過度の意識を持たないというか。
ブラック・ミュージックがずっと黒人であることを強く主張してきたのは、そう主張すべき現実があったから。JBのファンクや一連のニューソウルもレゲエも、黒人たちが置かれた過酷な現状があってスタートしている。黒人であることを意識せざるを得ない環境が強くあったのだ。白人っぽい音で白人社会と同化しようとする流れもその現象の裏返しでしかない。
ところが、JODECIやBoyz Ⅱ Men、TAKE6らの音楽には、そういうある種の“気張り”が感じられない。黒人として自然に育って吸収したものをごく自然に表現している、という感じがする。

伝統をリスペクトするという点では、スティーヴィー・ワンダーやレイ・チャールズをゲストに迎え、主役であるはずのTAKE6がしっかりとバックアップに回っているのが好感が持てる演奏だ。





その一方で、ただトラディショナルであるだけではなく、クイーン・ラティファのラップをフィーチャーしたトラックでは見事にゴスペル・コーラスとヒップホップの融合を果たしている。



黒人として自然に育って吸収したものをごく自然に表現する。
そのナチュラルさがとても心地よいレコードだ。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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