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MVPは誰?

golden(以下g):「まずは阪神タイガース、38年ぶりの日本一。おめでとうございます。」
blue(以下b):「勝ってもうたな。」
g:「第7戦までもつれた素晴らしい戦いでした。」
b:「まぁ、143試合も戦うシーズンの優勝が大事なんで、日本シリーズはどっちゃでもよかってんけどな。」
g:「でも、嬉しいでしょ?」
b:「そらまぁ、なんせ38年ぶりやからな。」
g:「38年前っていうと18才だったからね。」
b:「大学一年生やったな。」
g:「ある意味、歴史的な快挙に立ち会えたんじゃないかと。」
b:「いやいや、今のチームの状態やったら、連覇もあるで。まじで。他のチームもそんなに急に強ならんやろ。」
g:「その今年のタイガースの強さなんですが、やっぱり四球が増えたとかそういうあたりですかね。」
b:「いやいや、四球が増えたっていうのは現象面のひとつであって。与四球も減ったし、クオリティースタート率や救援防御率もよりよくなった、被本塁打も下げた。犠牲フライが増えたし、併殺打は減って奪併殺は増えた。」
g:「強力な投手力も含めたトータルで守り勝った、っていうことですか。」
b:「ひとことで言うとそうなるし、そういうプレイスタイルを浸透させた岡田監督の手腕は見事なもんやけど、結局はチームの総合力が高まった、っていうことやろ。」
g:「総合力、ね。」
b:「中野が最多安打、近本が盗塁王、大山が最高出塁率、村上が最優秀防御率、岩崎が最多セーブ。5人もタイトルホルダーを出したとはいえ、ホームランはリーグ5位やし、突出した選手が引っ張って勝ちまくったわけやない。」
g:「ベイスターズなんかは首位打者と打点王と最多勝利がいて3位、ホームラン王の岡本のジャイアンツも4位ですからね。」
b:「そやろ。総合力やねん。っていうか、守りの基本を固めたところから派生する好循環やろな、結局のところ。」
g:「二遊間の固定、主力選手の守備位置固定、そういうことが相乗効果を生んだのかと。」
b:「守備のミスが減ることで、投手陣も安心して投げ込めるわけで。守りが固いから相手打者へ攻め込める。攻めた投球ができる分相手は早打ちになって与四球が減る。すると投球にもリズムが生まれる。」
g:「タイガースの投手陣は速球派よりも技巧派が多いからね。」
b:「打順もほとんど動かさずにそれぞれの役割を明確にしたし、ボール球の見極めが上手くなった。その結果が奪四球の増加、っていうことやからな。四球を増やすことが目的やない。いかに相手が嫌がることをして相手より優位に立てるか、っていうことや。」
g:「走塁の意識の高さはすでに矢野監督の頃から植え付けられてたしね。」
b:「守備もそうやけど、走塁も、たぶん実戦的な練習をきっちりやったんやろな。こういうときはこういうチャレンジをしよう、っていうのがチーム全体に浸透してる。」
g:「練習が糧になって、自信につながってる気はするね。」
b:「走塁といえば、日本シリーズでもキーになったんはやっぱり、初戦の先制点につながった佐藤の盗塁とか、第4戦の大山のサヨナラヒットの前、森捕手が少し反らしたのをすかさず三塁へ走った近本の走塁やったな。」
g:「第7戦の三連打につながる中野の併殺回避も足の勝利でした。」
b:「あれは審判がヘボいだけで、最初からセーフやで。」
g:「併殺と思ってやっぱりセーフ。結果的にはあのプレイで宮城投手のリズムが崩れたよね。」
b:「逆にタイガースは追いすがるバファローズを併殺で潰したしな。」
g:「ちょっと前のタイガースなら考えられないくらいの鉄壁さ。ピンチで慌てることも減った気がするね。それも自分たちがやってきたことへの自信の現れかな、と。」
b:「第5戦の森下は慌てまくってたけどな(笑)。」
g:「でも、その後大事なところで打つんだから大したものだよ。」
b:「ま、並の新人やないことは確かやけどな。」

g:「さて、本題の『MVPは誰だ?』なんですが。」
b:「そら、岡田監督がゆーてたとおり、投手では村上、野手は近本中野の1・2番コンビやろ。」
g:「投手陣は、僕ならやっぱり岩崎を選ぶかなぁ。湯浅離脱後の6月からストッパーになってセーブ王っていうのは凄すぎる。」
b:「60試合投げて、35セーブ+3勝+12ホールドやからな。最初からストッパーやったら50セーブくらいあげてる。」
g:「ブルペン陣の精神的支柱でもあり続けたわけで。」
b:「淡々とした独特のキャラがええよな。」
g:「岩崎あっての鉄壁リリーフ陣だったと思うんだよね。」
b:「リリーフ陣は加治屋・岩貞も終盤へばったとはいえ勝ち試合でも負け試合でもチームを支え続けたし、石井や桐敷が台頭してきたけど、一番かっこよかったのは島本やな。」
g:「ピンチの場面を託されては抑えきる。」
b:「怪我から育成に落ちて這い上がってきたわけやしな。」
g:「怪我からの再起という点では才木も凄かった。」
b:「才木の再起(笑)。」
g:「先発陣では村上に次ぐ1点台の防御率で、中盤の不振がなければ大竹・伊藤・村上と並んで10勝カルテットになるところだった。」
b:「交流戦で佐々木朗希と渡り合った投げっぷりもしびれたなぁ。」
g:「大竹は大化けしたし、伊藤の安定感もすごかった。」
b:「伊藤の第7戦でのリリーフは完璧やったな。打たれる気がせんかったもんな、堂々として。ああいう頼りになる中堅が柱になってくれるとええよな。」
g:「頼りになる中堅といえば、野手では中野だね。」
b:「おーん、ちっこいのに体強いよなぁ、WBCから出ずっぱりでフルイニング出場。」
g:「中野のセカンドへのコンバートが、今年チームが戦力補強なしに生まれ変わった一番のポイント。中野がセカンドを難なくこなしたから、鉄壁の二遊間コンビが生まれ、恐怖の8番木浪や代打の切り札糸原が生まれたわけで。」
b:「一番すごいんはコンバートさせた岡田監督やけど。」
g:「いやいや、それにすんなり順応した中野のポテンシャルがすごい。」
b:「でも野手のMVPは、やっぱり大山ちゃうかなぁ。」
g:「つなぎの4番打者。」
b:「あのしぶとさ、一塁への全力疾走、意外と上手いファースト守備。ホームランだけやなく、粘ってつないで相手を崩すんだというチーム方針を一番体現してくれたのは大山やで。」
g:「ちょっと前は優柔不断そうな頼りない感じだったのに、風格すら漂ってきたよね。」
b:「鳥谷、福留、糸井といったベテランたちが次々とチームを離れていった中で、自覚と責任が出てきたんやろな。」
g:「自覚と責任という点では近本も変わった。前はもっと自分中心なバッティングしてたもんね。」
b:「成績で言えば大山よりも近本かもな。得点圏打率セ・リーグ1位。」
g:「近本が肋骨折られて抜けた7月はこのままズルズルと負け続けると思ったけど、復帰後の8月9月はあれよあれよと勝っていったもんね。チームに一番欠かせない存在だった。」
b:「愚直な努力家の大山と職人的なプロフェッショナルの近本っていうキャラの違う二人が野手陣の年長組っていうのもええコンビなんやろな。二人とも真面目だけどゆるくて暑苦しくなくて。」
g:「チーム力を引き出したという点ではもう一人欠かせないのが坂本捕手かもね。」
b:「リードの良し悪しのことは正直ようわからんねんけど、常に冷静でクレバーやな。大山、近本、坂本の中では坂本が将来監督になりそうな感じが一番する。」
g:「あと、ポジション剥奪されて控えに回った糸原のベンチでの盛り上げ方も、めっちゃチームにいい影響があったんじゃないかと。」
b:「年長の元キャプテンがベンチで拗ねてたら扱いづらいやろからな。」
g:「このあたり、平田ヘッドあたりが実はめちゃくちゃ関わってる気がする。」
b:「原口もやろな。」
g:「そういう精神的な柱になる選手がいたから、佐藤や森下が多少ブレがあっても我慢がきいて、全体としてはうまくまとまったんじゃないかと。」
b:「総合力で強くなっていった背景には、そういう部分もかなり影響ありそうやな。ベンチが楽しそうやったもん。ジャイアンツとかベイスターズとかもっとギスギスしてたやろ。」
g:「そうやって、フィールド以外でもそれぞれの選手がそれぞれの役割をちゃんと果たしたんだろうね。」
b:「まぁ、ほんまのところは知らんけどな(笑)、雰囲気からは絶対そういう感じあるよな。」
g:「植田、島田、熊谷といった守備走塁のスペシャリストもそれぞれの役割をしっかり果たしました。」
b:「島田はちょっと怪しかったけどな(笑)。」
g:「個人的には前川、井上、小野寺をもっと使ってほしかったけど。」
b:「いやいや、ノイジーはな、外国人助っ人やと思うから物足りんように見えるけど、6番に座ってからのチームバッティングは大したもんやったと思うで。85年のバース掛布岡田のあとの佐野みたいにしっかり役割こなしてたんちゃうかと。」
g:「真面目なタイプっぽいし、怪我しないし。守備力も高いし、来年大化けしそうな気がする。残ってほしいよね。」
b:「梅野も今年は散々叩かれた上に離脱を余儀なくされたけど、来年に向けて期するもんはあるやろな。」
g:「青柳や西勇輝、西純矢や及川、浜地あたりもね。」
b:「まぁとにかく、活躍した選手もイマイチやった選手も込みで、今年のタイガースのチーム力は凄かったと思うで。」
g:「一人一人が自分の役割をちゃんと担って。」
b:「ここぞっていうときの集中力も凄かったよな。第5戦みたいなワンチャンスを集中打で一気に逆転とかのシーンがシーズン中に何度もあった。」
g:「誰かがミスしてもみんなでカバーする、誰かが調子悪くても誰かが取り返す、みたいなのもね。」
b:「エラーの数そのものはそんなに減らんかったけど、みんなでカバーして、失点にからむ致命的なエラーは明らかに減ったしな。」
g:「勝っていくうちにどんどん強くなっていった感じがする。」
b:「こうやって戦ったらいける、っていうのをチームみんなで学んでいったんやろな。」
g:「みんなが豪速球投手である必要もないし、みんながホームランバッターである必要もない。一人一人が自分のらしさを存分に発揮できればチームとしてかみ合っていくっていう。」
b:「いや、ほんまそうやで。管理職としては、仕事とかでもああいう環境さえ整えたらあとは一人一人が勝手に成長するんやろなぁ、って思うたわ。」

g:「ところで、MVPは誰、っていう話だったよね。」
b:「あぁ、そうやった。いやー、正直一人には選ばれへんな。」
g:「確かに。」
b:「その、一人に選ばれへんっていうのが、今年のタイガースの強さの理由でもあるわけやしな。」
g:「三冠王が失速したら最下位争いまで落ちたチームとは違う、と。」
b:「いや、そこまではゆーてへん。ただ、突出した力で勝ったんではないからこそ、来年も期待できるんちゃうかと。」
g:「ひとつ歯車が狂えばボロボロになる可能性もあるけど。」
b:「いやいや、そこは岡田監督が何とかするやろ。岡田のうちに連覇せんと、岡田もトシやしそう長いことやらんやろうから、また低迷期が来るに決まってんねんから。」
g:「さすがタイガース・ファンを長年やってると悲観論が身についてるよね(笑)。」
b:「2005年に岡田監督がJFKのリリーフ方程式を作ってそのあとの野球がリリーフ重視に変わったみたいに、今年のタイガースの優勝はたぶん野球の質を変えると思うで。」
g:「他のチームも真似してくる、と。」
b:「1・2番の固定とか、強打の8番とか、たぶんどこのチームもやろうとするやろな。」
g:「ジャイアンツやドラゴンズも今の若手が育ったら強くなるでしょうね。」
b:「ええねん、そうやっておもろい試合が観れたらそれでええやん。」
g:「一回優勝すると、観る側もなんか余裕がありそうだね。」
b:「いやいや、でも来年は連覇やで。連覇して岡田監督勇退、今岡監督っていう流れでもう決まっとんねん。」
g:「勝手なことばっかり言ってますが、とにかく日本一。おめでとうございました!」





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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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