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Family Reunion/O'jays



O'Jaysの“Unity”。
いい曲だなぁ。
ノリノリのディスコ・ビート。
入れ替わるリード・ヴォーカルと、そのすき間を埋めるコーラス。
合いの手のようにあおるホーンセクションとストリングス。
後半、転調しての盛り上がり。
あんまりよくは知らないけど、モーニング娘。やAKB48の曲でまんまこんな感じのがあったような。いや、パクってるとか揶揄したいのではなく、こんなふうにハッピーにファンキーに盛り上がっていくキラーチューンって演りたくなって当然だよな、って思って。

この曲が入っているのは、O'Jaysの1975年のアルバム『Family Reunion』。
4枚めだか5枚めだかの、まぁ円熟というか脂が乗りきった時期の作品だ。



O'Jaysの結成は古く、1958年だったらしい。なかなか売れない時期が長く続いたあと70年代にいわゆるフィリー・ソウルのフィラデルフィア・インターナショナルに移籍してからヒットを連発した。
プロデューサーのギャンブル&ハフの、くどいくらいのストリングスの盛り上げ方と分厚いコーラスがとても相性が良かったのだろう。
野太いヴォーカルはエディ・リヴァート、少し甲高いヴォーカルはウォルター・ウィリアムス。バックはフィラデルフィア・インターナショナルのハコバンMFSB。
収録曲はファンキーなアップナンバーとメロウなちょっとくどいくらいのバラードが半々くらい。
スロウナンバーで特にいいのが“Stairway To Heaven”だな。



ちょっと性的なニュアンスも含んだ“天国への階段を昇っていこう”というメッセージだけど、こういう感じで誠心誠意歌われるとうっかり口説かれてしまいそうな説得力がある。
他にもちょっとくどさやダサさとギリギリのメロウ・ナンバーがいくつかあるけれど、どれもシルキーで脂っこさを感じさせない。

アップナンバーではやっぱり“I Love Music”がトドメを刺すだろう。



のっけからのりのいいパーカッションとディスコ・ビート、きらびやかなストリングス、ベタベタに煽るホーンセクション、合間の官能的なギターソロ、完璧なハーモニーの分厚いコーラス。
天国ではこんな宴が毎日繰り広げられているのかしらと想うようなノリノリのグルーヴがこれでもかと言わんばかりに繰り広げられる。

I love music
Sweet, sweet music
As long as it's swinging
All the joy that it's bringing

音楽が好き
甘い、甘い音楽
スイングしていれば
すべての喜びを運んでくれる

僕はダンスも踊らないし、享楽的というよりはシニカルなタイプの人間だけど、そんな僕でさえ有無を言わせずゴキゲンにさせてしまうのだ。
つい調子にのって、アフロヘアーのかつらかぶったりヨレヨレのネクタイを頭に巻き付けてヘロヘロのダンスを踊ってしまいそうだ。
音楽の力、おそるべしだと思う。
四の五の言わせぬ力技という点では、ピストルズにも匹敵する破壊力だと思う。
不謹慎かもしれないけど、いっそこういう音楽を戦場なんかで流したらどうだろうかと思う。あるいはプチーンやシーチンピンや岸田なんとかの執務室かなんかで大音量で。
戦争なんか辞めて能天気でハッピーな政策でも提案したくなるんじゃないだろうか。






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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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