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正念場の9月

阪神タイガース。
今日の試合を終えて118試合を消化、70勝44敗4分、勝率.614。
2位カープが負けたので、ゲーム差は6.5、再びマジック18が点灯した。



いやぁー、今日はヒヤヒヤしたねぇ。
前半から効率よく加点して3回までに3-0、先発村上頌樹が7回を92球3安打で抑えて、さらに8回表には森下の今日2本目のホームランで4-0と完全な勝ち試合の8回裏。リリーフで出た岩貞が7番長岡の出塁を許し、次打者代打青木がエラーでチャンスが広がる。一死満塁から不運なポテンヒットで1点、さらに代わった桐敷が押し出し四球で4-2となって尚も一死満塁で4番村上宗隆を迎えた場面。

いやーな予感しかしなかった。

というのも、この3連敗は全部、敵チーム強打者のホームランでひっくり返されて負けているからだ。

日曜日のジャイアンツ戦、2-0の展開で大城・坂本に被弾。火曜日のベイスターズ戦はなんとか今永を下ろして8回裏に2-0としたあと、守護神岩崎が佐野・牧に連続被弾でひっくり返され、翌水曜日も6回に牧に3ランを打たれて突き放されて、いずれも試合の主導権を握っていたにも関わらずの3連敗となっていた。

もしここで村上宗隆に満塁ホームランでも打たれようものなら。

ちょっと立ち直れないまま連敗街道まっしぐらになりかねないところだった。

いやぁー、よく切り抜けた。

桐敷、石井、グッジョブでした。

もちろんじゅうぶんにゲーム差はあって、4連敗くらいはどうってことない。
しかし。
2008年や2021年に前半首位独走しながら終盤にひっくり返された経験があるだけに、まずマスコミがおもしろおかしく騒ぎ出す。ファンもヤキモキし始める。
そうするとやはり選手も知らず知らずのうちに力んでしまうものだ。
勝たなくてはの力みが悪循環を呼ぶ。そうやって6つ7つと大型連敗をしてしまえばさすがにお尻に火がつく。その力みが9連敗10連敗へとつながりかねない。
今日の勝利は、そういう悪循環の根を断ち切ったという意味でとてつもなく価値のあるものだったと思います。



タイガースファンだからという以上に、今年はタイガースに優勝してほしいのですよね。
というのは、今、タイガースが一番、野球というチームスポーツの醍醐味を体現した野球をしているから。
選手一人ひとりが、自分の役割を理解してチームプレイに徹している。
ちょっと前のダメ虎とは明らかに違う。

野球というスポーツは、個人競技ではなくチームスポーツ。
個の能力では劣っていても、戦略や連携で勝つことができるし、そこを楽しむのが野球のおもしろさだと思うのです。
例えばV9時代のジャイアンツには王・長嶋という強打者がいたけれど、王・長嶋の長打力だけで勝っていたわけじゃないはずだ。扇の要に森が座り、土井・黒江という二遊間コンビに中堅柴田のセンターラインの守備をしっかり固めていた。攻撃では柴田や土井・高田といった1-2番コンビが粘りや足で相手を揺さぶっていたはず。
まぁ、V9ジャイアンツはさすがに子供だったのでちゃんと知っているわけではないけど、中畑・原の時代のジャイアンツにも松本や篠塚といった選手がそういう役割を果たしていたし、森時代のライオンズ黄金期の石毛・辻、落合ドラゴンズの荒木・井端やカープ3連覇時代の田中・菊池など、強いチームには必ず鉄壁の二遊間コンビや1-2番コンビがいた。これがまたソツのない見事な連携プレイや足を使って相手をかき乱す攻撃をするわけで、正直負けても「さすが、強いチームは違う」と思わせられるようなものだったのだ。
岡田監督はそういう王道の野球を熟知しているからこそ、1-2番の近本中野を固定し、中野をコンバートして木浪を抜擢したわけで。

選手一人ひとりが、自分の役割を理解してチームプレイに徹するからこそ、個人の力では劣るチームが勝つことができる。
それがチームスポーツである野球の醍醐味。
全員剛速球投手やホームラン打者である必要はないのだ。
粘り強く四球を選ぶ。盗塁を仕掛けて相手投手を揺さぶる。ちょっとした相手の守備の乱れを逃さず次の塁を狙う。そういうことの積み重ねで好投手から点をもぎとっていく。
ホームランは確かに野球の華ではあるけれど、小兵選手までもがブンブン振り回してホームランを狙うベイスターズやジャイアンツのようなチームの野球よりは絶対に、タイガースのような野球の方がスピードがあってスリリングだと思うのです。

もうひとつタイガースに勝ってほしい理由は、今のチームが数年をかけて自前の生え抜き選手を育成してきて作りあげたチームだということ。
ジャイアンツやホークスのように実績のある選手をFAでかき集めたチームじゃないこと。
生え抜きの若い選手が少しずる育ってチームの主力になっていく。
これは応援のしがいがある。

だからこそ、ホームラン野球チームやFAかき集めチームには負けてほしくないのですよね。
勝負の世界、勝てば正義なのだから、ホームラン野球チームやFAかき集めチームの方が強いのであればそれが正義になってしまう。チームプレイより個人の能力の強さが正義になってしまう。
そういう野球よりも、粘りやスピードやチームプレイのスリリングな野球が観たいから、なんとしても今年優勝して「タイガースのやり方が正しい」と証明して、他のチームも「タイガースのようにやろう」ってなってほしいんですよね。
そうすることが、全体として結果的に、より魅力的なプロ野球になっていくはずだと思いがあります。



ま、何はともあれ。
あと残り、25試合、惑わされず一喜一憂せずに、今までの積み重ねを信じて、眼の前の一戦一戦を今までのように着実にこなしていってほしい。

次に野球記事を書くときは、タイガース優勝の感慨を書きたいと願っております。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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